詐欺メールの多くは「フィッシング詐欺」という手口を使う(図7)。「カード番号の確認」などと緊急を装った偽メールの本文中にリンクを用意。それをクリックさせて偽サイトに誘い込む。偽サイトは本物そっくりに作られており、そこでクレジットカード情報やネットサービスのアカウント情報などを入力させる。

迷惑メールフィルターをくぐり抜けた詐欺メールが受信トレイに届いたら、自力で見破るしかない(図8)。見破るためのヒントはいくつかある。こちらは次々週に詳しく紹介する。

最後に「標的型危険系」の攻撃手法を図9に示した。企業の従業員などに直接メールを送り付け、添付ファイルにランサムウエア(身代金要求型ウイルス)などを仕込ませておく手口だ。ランサムウエアに感染すると被害は甚大で、病院の業務に支障が出た事例もある。この攻撃に個人でできる対策は限られている。パソコンのセキュリティー対策を万全にして、怪しい添付ファイルを開かないことが大切だ。

(ライター 石坂勇三)
[日経PC21 2022年4月号掲載記事を再構成]