
キャメル珈琲が全国で460店舗以上展開する食品専門スーパー、「カルディコーヒーファーム」(以下カルディ)。直近話題となった冷凍「マリトッツォ」や「ぬって焼いたらカレーパン」のように、ヒットの芽を見つけていち早くオリジナル企画の商品を世に送り出すことを得意とする。
膨大な食品を陳列するカルディの店頭で、2021年秋冬シーズンに売れ筋となりそうな商品は何か。新商品だけでなく既存の商品も含めて、21年の食品の消費トレンドに合致しており売れそうなものを選んだ。
ブレイク予測1:新感覚異国ライスのもと
カルディで長年働いた経験のある料理研究家のヤミー氏が「大半の人が見たことも食べたこともない中東料理を、炊飯器で作るというのが斬新」と評するのが「マクルーベの素」(価格は275円、税込み、以下同)。いわゆるご飯のもとで、21年6月ごろから店頭に並び始めた。
カルダモンやシナモンの甘い香りが特徴の、中東地域の伝統的な炊き込みご飯を作ることができる。マクルーベとはひっくり返したものという意味で、焼いたナスを炊飯器の底に敷き詰めて、もとを入れてお米を炊いたら釜ごと逆さまにして皿に盛り付ければ完成する。スパイスが苦手な人でも食べやすく、優しい味わいである。

カルディは、新感覚のお米料理のもとを他にも数多く品ぞろえしており、ジャンルヒットする可能性がありそうだ。7月ごろから店頭陳列を始めた「スータイ カオマンガイセット」(267円)は、蒸し鶏を使ったタイの屋台料理「カオマンガイ」を作るもと。こちらは、炊飯器に鶏肉も一緒に入れて炊き込む。

最近、SNS(交流サイト)で話題のインドの炊き込みご飯「ビリヤニ」のもとも、カルディは早くから商品化している。「混ぜるだけビリヤニ」(298円)がそれで、ご飯に混ぜるだけでよい。
一般的なスーパーでは見かけない、アジア地域を中心とする食品をカルディが独自に商品化できる理由は、食品輸入子会社や、タイに食品開発子会社を抱えているためだ。
