新iPad miniを自腹購入 スマホ並みの軽さ、動画も快適
戸田覚の最新デジタル機器レビュー
iPad mini(第6世代)が新登場した。前モデルから2年近くたってのアップデートなので、個人的には大いに待ちわびていた。今回は、実際に購入して数日使い込んで感じた印象を紹介していこう。まだ入手してから4日程度だが、外出の際にはほぼ持ち歩いている。
タブレットの主流のサイズは、10~11インチ前後だ。iPadも、iPad(第9世代)、iPad Air、iPad Proなど、11インチ程度の製品がラインアップの柱となってる。ところが、このくらいのサイズだと重さは400グラム台後半から500グラム程度になる。長時間手に持って使い続けるのは案外つらい。
その点、iPad mini(第6世代)は、Wi-Fiモデルで293グラム、Wi-Fi+セルラーモデルでも297グラムと、どちらも300グラムを切っている。この軽さなら、手に持ち続けても負担は少ない。ちなみに同時に登場したスマートフォンiPhone 13 Pro Maxは238グラムなので、60グラム程度しか重さは変わらない。
現実的には出先で使うためにケースやカバーを付けることになる。それでも、本体が小さいほど追加される重量は少なくて済む。僕は、ずっとカバンに入れて持ち運んでいるが、負担に思うことはまずない。
画面サイズ以上に快適だ
iPad mini(第6世代)は、画面サイズが8.3インチに大型化した。前モデルのiPad mini(第5世代)は7.9インチなのでちょっぴり大きくなった。
実際は画面の縦横比が変化し、より細長くなった。画面のサイズは対角線の長さで示すので、正方形に近いほど面積は広くなる。つまり、実際の面積は数値ほどは大きくなっていないのだ。
だが動画を見る際には、細長くなった縦横比がとても有利に働く。動画の上下で黒く表示される非表示の部分が少なくなる。iPad mini(第5世代)と比べると、動画はより大きく表示できる。
タブレットの用途の一つに動画視聴を挙げる方は多いだろう。僕も移動中の電車内や、カフェでの空き時間に動画を見ることが少なくない。そんなときにiPad mini(第6世代)が素晴らしい相棒になる。
スピーカーは横置きにした際の左右に割り振られている。iPad mini(第5世代)は片側だったので音の聞こえ方がずいぶん違う。
大人っぽい本体
iPad mini(第6世代)は、スペースグレイ、ピンク、パープル、スターライトの4色がラインアップされている。どれも派手すぎることなく、アルミの質感を生かした大人っぽい色だ。
本体はアルミ製で、継ぎ目のない構造が素晴らしい。剛性感も高く、手にすると高級感がひしひしと伝わってくる。価格以上の満足感が得られる。
さらに、純正カバーの「Smart Folio」も5色用意されている。こちらもすてきな色合いでどの本体カラーと組み合わせてもよく似合う。
着実な進化に脱帽
iPad mini(第6世代)は、iPad Air(第4世代)と同じように進化した。すなわち端子がアップル独自規格の「Lightning」から汎用の「USB-C」に変わり、指紋センサー(Touch ID)を搭載した。
USB-C端子は、アンドロイドスマートフォンをはじめ様々な機器で利用されている。使い勝手が良いだけでなく、実用上で大きなメリットになる。
付属の充電器の出力は20ワットだが、パソコンやスマホの共通充電規格「USB PowerDelivery (USB PD)」対応の市販の充電器が利用できる。アップルは明言していないが、30ワット以上の充電器を使うとより短時間で充電ができる。
さらに、外付けの記憶装置SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)がUSB-C端子に接続可能だ。動画などをSSDにコピーしておいて直接再生することもできる。パソコンと大容量のファイルをやりとりする際にも利便性が高い。
このほか専用ペン「Apple Pencil」も第2世代の新しいタイプとなった。本体に磁石で装着するだけで、充電やペアリングができる。
「単体」でも「組み合わせ」でも便利
iPad mini(第6世代)はパソコン的に使うこともできる。iPad OSはマウス操作に対応しているので、市販のBluetoothキーボードでタッチパッドが付いているものを利用すればマウス操作ができる。最小限の荷物でパソコン並みの作業環境が手に入るわけだ。
なおiPad mini以外のiPadはアップルが純正キーボードを用意しているが、iPad mini(第6世代)用はリリースされていない。
iPadをMacの2台目のディスプレーとして使う機能「Sidecar」も有効活用したい。画面の小さなiPad mini(第6世代)とMacBookの組み合わせは案外便利に使える。こちらもお勧めだ。
1963年生まれのビジネス書作家。著書は150点以上に上る。パソコンなどのデジタル製品にも造詣が深く、多数の連載記事も持つ。ユーザー視点の辛口評価が好評。
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