韓国ガールズグループ「ITZY」 10代・20代の心つかむ
韓国の超大型グループが日本デビューを果たした。難易度の高いパフォーマンスと圧倒的な歌唱力、キャッチーかつメッセージ性の強い楽曲で、すでに日本でも10代・20代の心をつかむ注目株だ。
近年、韓国では超大型ガールズグループのデビューや結成が続いている。SMエンタテインメントの「aespa(エスパ)」、元IZ*ONEのウォニョンとユジンをメンバーに含むSTARSHIPエンターテイメントの「IVE(アイヴ)」、オーディション番組『Girls Planet 999:少女祭典』発の「Kep1er(ケプラー)」……。
その中で、人気・実力ともに頭1つ抜けた存在が、5人組グローバルガールズグループ「ITZY(イッチ)」だ。すでに日本でもZ世代を中心に熱い支持を集めるITZYが、2021年12月、待望の日本デビューを果たした。
所属は2PM、TWICE、Stray Kids、NiziUらを擁する韓国のJYPエンターテインメント。メンバーは全員00年代生まれ。サバイバルオーディション番組の参加者やBTSのMV(ミュージックビデオ)の出演者など、それぞれに認知度が高かった彼女たちは、19年2月に超大型ルーキーとして華々しく韓国でデビューした。
デビュー曲『DALLA DALLA』のMVは24時間で約1400万回に達し、さらに韓国ガールズグループ史上最短の9日で音楽番組1位を獲得。一躍、トップガールズグループの仲間入りを果たした。以降も怒とうの快進撃を続け、新人賞を総なめに。これまで公開したタイトル曲のMV6本の再生回数はすべて億単位に到達し、K-POP第4世代のガールズグループでは最も1億回突破の本数が多いグループだ。
第4世代のアーティストの例に漏れず、ITZYもデビュー時から世界で人気を博し、デビュー9カ月後からアジア・アメリカの全11都市を巡るショーケースツアーを開催した。コロナ禍でもITZYは前進を続け、21年1月には初の英語アルバム『Not Shy』をリリース。9月に発表したファーストフルアルバム『CRAZY IN LOVE』は、米ビルボードの「ビルボード 200」で11位、「アーティスト100」では12位にランクインするなど、自己記録を大幅に更新。世界での地位を着実に固めている。
彼女たちの魅力は一言で言えば、誰もが憧れるパワフルでカッコいい「ガールクラッシュ」にある。ITZYに熱狂するファン「MIDZY(ミッチ/ITZYのファンネーム)」は、10代・20代が中心。力強くクオリティーの高い歌唱力とパフォーマンスや、ITZY自身のビジュアルやカリスマ性はもちろん、あるがままの自己を肯定するメッセージが、同年代に強く支持されている。しかし、ひとたびステージを離れると、親しみやすさを見せるところも共感を集める理由といえるだろう。
日本デビューベストアルバム『IT'z ITZY』は、これまで韓国でリリースした6つのリード曲それぞれの韓国語オリジナルと日本語バージョンの計12曲を収録した、満を持しての1作だ。今回のリード曲は、オリジナルMVの再生回数が約4億にのぼる『WANNABE(ワナビー)』の日本語版。「私がなりたいものは私自身」という力強いメッセージを掲げた代表曲を引っさげての日本活動に期待が集まる。
(ライター 横田直子)
[日経エンタテインメント! 2022年1月号の記事を再構成]
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