
ネスレ日本(神戸市) のコーヒーブランド「ネスカフェ 香味焙煎(ばいせん)」と、コーエーテクモゲームスの人気ゲーム『信長の野望・新生』 が異色のコラボを企画。信長の野望のゲームの世界に飛び込んでコーヒーの特徴を知ってもらうキャンペーンに込められた、ネスレ日本の担当者が考える「消費者とのコミュニケーション」の強化とは。
『信長の野望』の世界、忠実に再現
織田信長がコーヒーカップに入ったコーヒーを楽しむ姿が目を引く画像。これはネスレ日本のコーヒーブランド「ネスカフェ 香味焙煎」が、コーエーテクモゲームスの『信長の野望・新生』とコラボして2022年2月1日から4月30日まで実施しているキャンペーンのもの。ネスカフェ 香味焙煎の公式サイトでは、この絵を掲げるだけでなく、『信長の野望・新生』の世界観そのままに戦国武将がコーヒーをたしなみ、参加者を家臣に見立てた「(コーヒーの)香りの天下統一」ゲームまで用意した。
このゲームでは、織田信長や伊達政宗、上杉謙信など8人の戦国武将の中から、共に天下統一を目指す武将を選ぶ。すると選んだ武将が「ネスカフェ 香味焙煎 豊香(ゆたか)」「ネスカフェ 香味焙煎 柔香(やわらか)」の香りに関するクイズを出題。参加者が二者択一で答えるようになっている。PR用のゲームなのでクイズそのものはシンプルだが、クイズに至るまでの武将と参加者(家臣)の会話シーンは信長の野望のゲームの世界観が再現されているのがこのコラボならでは。武将たちはそれぞれコーヒーについて、ゲームキャラクターのイメージに違わぬ口調で説明する。ほんの1~2分ほどで完了できるゲームだが、楽しみながら香りと味の特徴がつかめるようになっている。
コラボの特設サイト内には、各武将の現在の勢力図が表示されており、挑戦結果を指定の#(ハッシュタグ)を付けてTwitterに投稿することで、選択した武将の領地が拡大する仕様。最も広い領地を獲得した武将を選択・投稿した人の中から抽選で50人に「武将からの褒美」として賞品が進呈される。企画のユニークさもあって、コラボ開始直後から、Twitter上では早速、勢力争いが始まった。
飲用者層とプレーヤー層の一致に注目
戦国武将とコーヒー、異色の組み合わせのように感じる今回のコラボのきっかけをネスレ日本 飲料事業本部の吉永祐太氏は「日本独自の商品なので、和の世界とのコラボを企画したかった」と振り返る。
コラボを仕掛けたネスカフェ 香味焙煎は、ネスレ日本が香りへのこだわりが強いとされる日本人のために日本独自で開発したコーヒーだ。1998年に発売され、2020年9月には製法やパッケージを一新し、凍らせた香りをまるごと閉じ込める独自の「香味真空氷結製法」で進化を遂げたという。
飲用者として想定しているのは40~50代の男性で、全日本コーヒー協会「コーヒーの需要動向に関する基本調査」では1人1週間当たり杯数が60歳以上の男性層に次いで多い層でもある。パッケージは和を意識しており、商品名や商品背面部分に当たる入れ方も縦書きを採用。グローバルブランドであるネスレグループにおいて、日本独自のプレミアムブランドとして海外にも認知されている、ある意味「和の文化」推しの商品といえる。
一方、『信長の野望・新生』は、プレーヤーが戦国時代の武将となり天下統一を目指す歴史シミュレーションゲーム「信長の野望」シリーズの最新作。1983年の発売から16作目となる。本作では、シリーズ初となる自ら考え行動する“生きた武将”が登場し、よりリアルな戦国時代を体験できる新たな「信長の野望」となっている。
