基本的な見方はAMDもインテルと同じ
AMD CPUの型番もインテルCPUと同様に「ブランド名」「シリーズ名」「プロセッサーナンバー」「世代」「カテゴリー」で構成されている(図11)。
「Ryzen 7 5700U」であれば、先頭の「Ryzen」がブランド名、次の数字「7」がシリーズ名、次の4桁の数字「5700」がプロセッサーナンバー、プロセッサーナンバーの先頭の数字「5」が世代、末尾の英字「U」がカテゴリーを示している(図12)。


AMDのノートパソコン向けCPUの主なブランドは、性能の高い順に、主力モデルのRyzen(ライゼン)、低価格パソコン向けのAthlon(アスロン)、タブレットなどに向けたA(エー)の3つ(図13)。RyzenとAthlonは高性能なZenアーキテクチャーを採用している。Aは旧世代のアーキテクチャーを採用したものだ。

Ryzenブランドには、「9」「7」「5」「3」の4つのシリーズがある(図14)。

この数字はインテルのCoreブランドを意識したもので、9がi9対抗、7がi7対抗、5がi5対抗、3がi3対抗のモデルだ。プロセッサナンバーの数字が大きいほうが高性能である点も、インテルCPUと同じだ(図15)。

プロセッサーナンバーの先頭の数字が世代を示していることもインテルCPUと同じだが、注意すべき点がある。AMDのノートパソコン向けCPUでは、例えば、先頭の文字が「2」であった場合、その数字から「1」を引いた数字が世代となる。
これはノート向けの第1世代Ryzenがデスクトップ向けから半年以上遅れて登場したことに起因する。内蔵GPUを搭載した新世代ノート向けRyzenであることを強調するために、第1世代のGPU非搭載のデスクトップ向けRyzen「1×××」に対し、「2×××」とノート向けの第1世代に名付けたのが始まり(図16)。以降、この表記ルールがずっと継続されている。

なお、デスクトップ向けRyzenは第4世代でネーミングルールが変更され、ノート向けと同様「5×××」と5000番台のプロセッサーナンバーが付けられている。
プロセッサーナンバー末尾の英字はカテゴリーを表している。主なAMD CPUのカテゴリーは図17の通り。現行のCPUでは、処理性能を重視したハイエンドパソコン向けの「H」、性能と省電力性のバランスを重視した一般ノート向けの「U」、グーグルのChrome OSを搭載したChromebook向けに最適化された「C」の3つがある。インテルのCPUと同様、同ブランド、同シリーズでもカテゴリーが違うと、TDPが異なり、性能や消費電力が大きく違うので注意したい。
