エリア内でつながらないことも
気になる実効速度は、東京都内の3カ所で計測した結果を示した(図7)。5Gで接続できた場所では200メガビット/秒(Mbps、メガは100万)台の速さをたたき出した。一方4Gではおおむね30M~80Mbps程度。動画配信サービスのNetflixの4K映像(UHD 4K)の推奨速度は25Mbps以上なので、4Gでも実用上は問題なさそうだ。

しかし、5Gに過度の期待は禁物。電波の受信状況が安定せず、サービスエリア内とされる場所でも接続できないケースがあった。さらに接続時も上りの速度やレイテンシ(通信の遅延)の数値が異常に悪化する現象も発生。データをアップロードする機会の多い人や、オンラインゲームを楽しみたいユーザーには気になるところだ。
5Gエリアの境界近くでは、「パケ止まり」と呼ばれる速度低下を訴えるユーザーの声もある。各社改善を進めているが、手動で4Gに切り替えたほうが安定する場面もあるだろう(図8、図9)。


ドコモでは3日間の通信量による速度制限を設けているが、基準は明らかにしていない。現状では15ギガバイト(GB、ギガは10億)を超えても明確な制限はかからなかった。利用場所は契約時に指定した住所に限られるが、会員サイトなどから月1回、変更の手続きが可能だ(図10)。

(ライター 五十嵐俊輔)
[日経PC21 2022年1月号掲載記事を再構成]