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体重が増えても筋肉量が減っている可能性がある

体重が増えたら疲れを感じやすくなった、という人は多いようです。

その場合、特に女性は「ダイエットして体重を減らさなければ」と思いがちですが、実際にはやせても問題が解決しないケースが少なくありません。

体重が2kg増えたとのことですが、テレワークが多いということを考えると、体を動かさなくなったことで筋肉量が減っている可能性が考えられます。つまり、体重が2kg増えたとして、もし筋肉量が2kg減っていれば、脂肪は4kg近く増えている可能性もあります。

私のパーソナルトレーニングジムにも、テレワークが続いて体重が増えたという方が複数います。体組成計で測定してみると、確かに体重が増えているのに筋肉量が減っている場合が多いのです。

通勤がなくなって体を動かす機会が減り、定期的に運動もしていないとなると、筋肉量は減っていきます。それなのに体重が増えたとなれば、少なくなった筋肉で体を支えなければならず、体がズッシリと重く感じられるようになります。それが、疲れやすさにつながっているのでしょう。

この状態でダイエットをして体重を減らしても、筋肉量が増えない限り、体が重く感じられるのは解消されません。筋トレなどをせずに食事の量を減らしてダイエットをすると、筋肉量がさらに減ってしまうことがあり、そうなると体はさらに重く感じられるかもしれません。

つまり、運動不足の状態で体重が増えて疲れやすくなったのは、余計な脂肪がついたということよりも、筋肉量が減ったことのほうが問題である可能性が高いのです。ですから、ダイエットよりも筋トレが必要になってくるというわけです。

運動しなければ心肺機能は落ちる

体を動かす機会が減って疲れやすくなったときに考えられるもう1つの原因は、心肺機能の低下です。

心肺機能が低下すると、例えば階段を上ったときなどに息が上がりやすくなります。体重が増えていた場合、それはなおさらでしょう。

体を動かさなければ、心肺機能は落ちていきます。家の中で家事を行ったり、歩いて近所に買い物に行くだけでは、心肺機能は上がりません。やはり、ある程度の強度の有酸素運動が必要になります。

酸素を体にいっぱい取り込んで行うジョギングや、少し息が上がる程度のスピードのウオーキングによって、心肺機能は鍛えられていきます。

運動不足の状態で有酸素運動を行うと、初めはとても苦しいでしょう。それでも少しずつ、走る距離や歩く時間をのばしていけば、次第に心肺機能が向上して、体も軽く感じられるようになるはずです。

アスリートでも「体が重い」を勘違い

このように、体重が増えて疲れを感じやすくなったときにやるべきなのは、減量ではなく、筋肉量を増やすための筋トレや、心肺機能を上げるための有酸素運動なのですが、アスリートでもこれを勘違いしてしまうことがあります。

私がかつて指導していたある女性の陸上長距離選手は、故障から復帰した直後、体重が1kg増えていました。体が重く、走ると息が苦しいため、「これは体重が増えたせいだ」と思い、減量に取り組みました。

しかし、減量して体重が減っても、体の重さは解消されません。「もっと体重を落とさなければ」と思い込み、無理な減量を続け、最後は無月経になってしまいました。

練習を長く休んでいたのですから、体が重く感じられるのは、体重が増えたというよりも、心肺機能が落ちてしまったからでしょう。つまり、必要なのは減量ではなく、心肺機能を強化するトレーニングだったのです。

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「座りっぱなし」が招く体のだるさ