2021年10月、Windows 11が登場した。だが今まで通り10を使い続けたい人も少なくないだろう。10は2025年10月までサポートされるのでセキュリティー面はしばらく安心。「10現役続行」の選択肢は十二分にアリ。10を使い続けるためのパソコン・メンテナンスやハード強化のポイントを8回にわたって解説する。
Windows 11への移行に消極的なユーザー
Windows 11が登場してはや数カ月――。11のハードウエア要件を満たすパソコンなら無料でアップグレード可能だが、移行せずに依然として10を使い続けている人は多い(図1)。直近の日経PC21読者アンケートでも11にアップグレードした人は全体の2割強にとどまっており、残りは10の利用者だ。11が無料なのにもかかわらず導入は進んでいない。

伸び悩んでいるのはなぜか。11のハードウエア要件が厳しいため11にしたくてもできない人もいるが、要件を満たすのに10のまま使い続けている人がいるのが大きな原因だ。そうした人は「11にすると操作方法やユーザーインターフェース(UI)が変わってしまうから嫌」「10で十分満足しているので11にする必要性を感じない」などの理由で移行に対しては消極的。古いOS(基本ソフト)のまま使い続ける人は常に一定数おり、11も例外ではない。
10はあと4年弱使える
では、急いで11に乗り換える必要性があるのかと聞かれれば答えは「ノー」だ。しばらく10のまま使い続けても何ら問題はない。
その理由は2つある。1つは10のサポートが2025年10月14日まで継続され、セキュリティーなどの更新プログラムが提供されるからだ。10が使えなくなるタイムリミットはあと4年弱とまだ先で、今は焦る時期ではない。
もう1つの理由は、無料アップグレード期間に終了日が設けられていないこと。期間が限定的だった10とは異なり、いつでも無料でアップグレードできる11ではまったく急ぐ必要性がない。マイクロソフトは「無料アップグレードに対するサポートをいずれ終了する権利を留保します」としており、将来は有料になる可能性もあるが、最低でも2022年10月5日までは継続すると明言している。
十把ひとからげに10の継続利用を推奨するわけではないが、要件ぎりぎりのパソコンをアップグレードするか悩んでいるなら10のままがよい(図2)。スペックがぎりぎりだとアップグレード後に問題が発生する可能性もある。11を末永く使いたいならメモリーは8ギガバイト(GB、ギガは10億)以上、ストレージもPCIeのSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)が望ましい。メモリーが4GBで増設不可な機種や、ストレージがHDD(ハードディスクドライブ)の場合は、無理にアップグレードするよりも、思い切って11パソコンに買い替えるほうが得策だ。
