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賞レースで注目“非吉本”勢、新設劇場&ライブ増加で場数踏む

21年12月の『M‐1』で敗者復活を除く決勝進出者9組が発表された際、吉本興業所属以外の芸人が過去最多の4組だったことが話題になった。その4組とは、優勝した錦鯉のほか、初進出組のモグライダー、真空ジェシカ、ランジャタイ。決勝に4組もの“非吉本”芸人が残ったのは、15年大会以来6年ぶりだったこともあり、「吉本VS非吉本」の構図にも関心が集まった。

ランジャタイ 伊藤幸司(左)1985年(36歳)、鳥取県出身。国崎和也(右)1987年(34歳)、富山県出身。2007年結成

吉本芸人の強みは、そもそも所属芸人の絶対数が多いことに加えて、常設の劇場を多数持つため、他の事務所に比べて圧倒的に「場数」が違うところにある。また、同じ釜の飯を食う者同士ならではの、息の合った掛け合いができるのも特徴の1つ。特に団体芸が求められるようなバラエティではその力をいかんなく発揮している。

ところが近年、吉本芸人のアドバンテージともいえる「場数」は、非吉本主催のお笑いライブの増加とともに、脅威ではなくなりつつある。代表的な例として、お笑いライブを手掛ける「K-PRO」は、ほぼ毎日のペースで様々なライブを主催。事務所の垣根を越えた企画ライブで多くのお笑いファンを集客し、21年4月には常設の劇場「西新宿ナルゲキ」をオープンさせるなど、東京のライブシーンを盛り上げている。

21年の『M-1』の非吉本4組はK-PROライブの常連であり、ここで力をつけてきたことは知られるところだ。他にも、『M-1』準決勝進出のキュウをはじめ、ストレッチーズ、ゼンモンキー、ガクヅケなど、「場数」で吉本芸人に引けを取らない芸人は多数存在する。K-PRO以外にも企画力に長けたイベント会社主催のライブは増えており、そうしたライブシーンから飛躍を遂げる非吉本芸人は今後も続きそうだ。

ランジャタイ
グレープカンパニー所属。国崎が支離滅裂な言動を繰り返し、伊藤が呆れながらも寄り添うように話についていくナンセンスな漫才が特徴。マヂカルラブリーの野田クリスタルらが以前から高く評価していたことでも知られる。
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ベテランの再ブレイク、番組出演をきっかけに再浮上