お笑い芸人の新主役は? オダウエダ・ランジャタイ…

日経エンタテインメント!

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ヒットの震源地が大きく変わった昨今のエンタテインメント界。芸人で注目されるのは、大学お笑い出身者と賞レースで爪痕を残した非吉本勢、そしてベテランの再ブレイクだ。

存在感増す大学お笑い出身者、基礎があり即戦力に

オダウエダ 小田結希(左)1995年(26歳)、愛媛県出身。植田紫帆(右)1991年(30歳)、大阪府出身。2014年結成

近年、大学お笑いサークル出身者が、お笑いの賞レースで好成績を残す例が増えた。『M‐1グランプリ』では、2019年のミルクボーイ、20年のマヂカルラブリー・村上、『キングオブコント』では、18年のハナコ・岡部大、21年の空気階段・鈴木もぐらが大学お笑いの出身者として知られている。

賞レース以外では、ラランドもその一員だ。ラランドは、サーヤが大学卒業後に就職しつつ、二足のわらじで芸人を続けているうちにブレイク。そのまま個人事務所を立ち上げるほどになった。

21年には『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で「大学お笑いサークル芸人」も放送された。この回に出演した大阪芸術大学出身のミルクボーイ・内海崇によると、大学お笑いは養成所と違い、ライバル同士というよりも仲間意識が強く、互いのネタにアドバイスを送り合うのが特徴だという。

ハナコ・岡部と同じ早稲田大学『お笑い工房LUDO』出身のひょっこりはんは、ニューヨークのYouTubeチャンネルで元学生芸人の特集が組まれた際、「僕がサークルにいたころは10人くらいしかいなかった。今は100人以上いる」と、近年の盛り上がりを説明。サークルで力をつけてから各事務所の養成所に入り、デビューしてすぐに頭角を現す人もいる。

数多くのお笑いライブを開催している「K-PRO」の児島気奈氏によると、直近では「サークル内にピラミッドのシステムができていて、ネタ見せで落ちたらサークルのライブに出られないという厳しいところも出てきた。そんな精鋭たちがプロになるから、同じ1年目でも即戦力になる」。

オダウエダ、真空ジェシカ、令和ロマンなど、ネクストブレイク候補も続々。大学お笑い出身者の勢力図はますます広がりそうだ。

オダウエダ
21年12月に女芸人No.1決定戦『THE W』で優勝。植田が、ミルクボーイやななまがりと同じ大阪芸術大学の落研出身。奇抜なメニューの焼き鳥屋、カニのストーカーなど、ナンセンスな設定やぶっ飛んだキャラクターのコントが得意。
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賞レースで注目“非吉本”勢、新設劇場&ライブ増加で場