日経エンタテインメント!

近年デビュー組も上位に

トップ20を年代別で見てみると、1990年代が3曲、2000年代が10曲、10年代が2曲、そして20年代が5曲と、00年代が最多となっている。ちなみに、ジャニーズ以外も含めた全ジャンルでのカラオケ総合ランキングでは、20年代、あるいは10年代(その大半が10年代後半)の楽曲が大半を占めている。ジャニーズの楽曲は、カラオケの面からすると、新しい楽曲よりも00年代の楽曲のほうが人気のようだ。

確かに、4位のSMAP「世界に一つだけの花」や8位の修二と彰「青春アミーゴ」、10位のTOKIO「宙船(そらふね)」などは、ジャニーズファン以外でも歌える人が多いという、まさに“国民的ヒット”。それゆえ発売から10年以上経過しても歌い継がれているのだろう。

とはいえ、近年発売されているジャニーズ楽曲も、決してエッジの利いたコアファン向けになったのではなく、むしろ大衆的に浸透しうるポテンシャルは維持しているように思える。となると、現在、音楽の楽しみ方の主流になっているストリーミングサービスなどの音楽配信に消極的であったことが、近年のカラオケヒットに影響を及ぼしている可能性も考えられる。

ただし、3位のKing & Prince「シンデレラガール」や9位のSixTONES「Imitation Rain」、トップ20に3曲もランクインしたSnow Manなど、18年以降にデビューした3組は、近年の楽曲でも人気がある。また21年11月にデビューしたなにわ男子も「初心LOVE(うぶらぶ)」がカラオケで週間トップ50級のヒットを継続中で、22年度にジャニーズ限定のカラオケランキングを集計した場合、上位入りは確実。彼らはYouTubeチャンネルでの動画公開やSNSでの情報発信にも積極的で、それがCD購入者以外にも楽曲が浸透している状況につながっているのではないだろうか。また、ジャニーズ以外のボーイズグループでもストリーミングを発端としたカラオケヒットが増えているので、あわせてストリーミングの配信解禁が進むことにも期待したい。

臼井孝
 1968年生まれ。理系人生から急転し、音楽マーケッターとして音楽市場分析のほか、各媒体でのヒット解説、ラジオ出演、配信サイトの選曲(プレイリスト【おとラボ】)を手がける。音楽を“聴く/聴かない”“買う/買わない”の境界を読み解くのが趣味。著書に「記録と記憶で読み解くJ-POPヒット列伝」(いそっぷ社)。渋谷のラジオにてレギュラー番組『渋谷のザ・ベストテン』放送中。 Twitter @t2umusic