近年、国内外を問わずボーイズグループの躍進が目覚ましいが、日本でもその中核となっているのは、やはりジャニーズ事務所所属のアーティストたちだろう。彼らの大半はCDセールスやミュージックビデオの再生回数、さらにドラマや映画の出演本数などもボーイズグループの中でトップクラスだ。
だが、アーティストそれぞれのパワーから離れて、楽曲の人気という視点から見るとどうなるのか。楽曲の人気に関して、近年はストリーミングの再生回数で比較することは多いが、彼らの楽曲はその多くが未配信だ。
そこで、今回はジャニーズ限定でカラオケの年間ヒットランキングを追うことにした。元にしたのはJOYSOUNDの2021年1月1日~11月30日のデータだ。
嵐は4つの年代でランクイン

1位は、嵐の「Love so sweet」。2007年、メンバーの松本潤が出演したドラマ『花より男子2(だんごリターンズ)』の主題歌となった爽快なナンバー。CDセールスは50万枚近くと、5年ほど続いていた20万枚~30万枚セールスから格上となり、ここから嵐の快進撃が始まったと言えるだろう(筆者の個人的な見解だが、この頃からメンバーの大野智の歌声がクリアに伸びる楽曲が多くなったように思える)。
嵐は、この他にも5位に「カイト」、6位に「One Love」、7位に「Monster」、14位に「Happiness」、15位に「A・RA・SHI」、さらには13位に二宮和也のソロ曲「虹」と合計7作ランクイン。1999年のデビュー作「A・RA・SHI」から、活動休止前の最新作「カイト」まで、1990年代、2000年代、2010年代、2020年代という4つの年代にわたってランクインしているのは嵐のみ。嵐は、デビュー20周年となる19年に音楽ストリーミングサービスで主要曲の配信を解禁したことも、より若い世代への浸透に拍車をかけたのではないか。
2位は、KinKi Kidsの「愛のかたまり」。トップ10の中で、唯一シングル表題曲ではない楽曲だ。01年のシングル「Hey! みんな元気かい?」のカップリング曲だが、その切ない曲想、作詞が堂本剛、作曲が堂本光一ということもあって人気が高い。10周年ベストアルバム『39』の選曲にあたってのファン投票でも1位になった。
10年代に入りジャニーズの後輩たちにもカバーされるようになり、さらに20年のステイホーム期間に堂本光一が「家のかたまり」という替え歌の動画を公開したことで、さらに人気に拍車がかかったようだ。KinKi Kidsは他にも12位にデビュー曲の「硝子の少年」もランクインしている。