イベント用スペース以外に、来場者がゲームを楽しめる空間もある。その1つが「RED° E-MOTOR SPORTS AREA」だ。eモータースポーツの代表格と言える「グランツーリスモ」シリーズを、大型モニターと特別仕様のハンドルコントローラー、レーシングチェアでプレーできる。他にもTSK(名古屋市)のドライビングシミュレーター「TSK Racing Simulator」を体験できるコーナーも用意。ゲームセンターの大型筐体(きょうたい)のように、専門施設ならではのレーシングシミュレーションが楽しめる。


また、「RED° ARENA」は、高性能なゲーミングPCを32台常設したスペース。個人、団体いずれの利用も可能だ。個人ならeスポーツ施設やネットカフェのPCエリアのようにゲームを楽しむ場として、団体ならeスポーツの大会のほか、セミナーなどの場として活用できる。なお、すべての機材を取り払えば、自由度の高いイベントスペースにもなる。

ポーカーなどのスペースも
ビデオゲーム以外のスペースもある。「RED° ROYALE」はオリジナルのポーカー台を3台用意し、ポーカーの一種である「テキサスホールデム」が楽しめるスペース。左右の壁にプロジェクターの映像を投映することで、様々な映像演出が可能。隣接するフードエリアからドリンクやフードを持ち込むこともできる。東京eスポーツゲートによると初心者向けの講習会やトーナメント戦なども開催するとのこと。

「RED° BODOGE」は4人ずつ座れるテーブルを並べたスペース。国内外の130種類のボードゲームをそろえ、友人同士で楽しんだり、ここで開催される大会に参加したりできる。
メタバースやNFTも活用
RED°は、eスポーツ施設としてはかなり大掛かりで、多様な用途に対応できそうな印象だ。今回お披露目された5階に加えて、4階のATTRACTION ZONE、3階のINSPIRATION ZONEも加えるとさらに広大で、豊富なコンテンツとなるだろう。
グランドオープン後は入場チケット制になる予定。価格は未定だが、3時間で2000円程度になる見込み。入場チケットを購入すれば、3~5階のすべてのゾーン、エリアが利用できる。5階では他社が主催するイベントや配信が開催される可能性もあるが、「来場者が追加料金なしで楽しめるように、イベントや配信は原則オープンにしてほしいと主催者にお願いしている」と、東京eスポーツゲートの原康雄社長。「それぞれの目的で訪れたお客さんが、ついでに他のエリアをのぞくことで新たに興味を持ったり身近に感じたりする、そんな相乗効果を期待している」と話す。
また、同社のデジタル事業などとの連携も進めるという。例えば、メタバース上にRED°で配信するイベントの仮想ステージをつくり、リモートで参加できるようにするなどが想定できる。「NFTは電子チケットなどにも活用できるだろう」(原社長)。東京タワーという東京のシンボルに、リアル、デジタルをまたいだ情報発信源を根付かせたい考えだ。
(文・写真 岡安学、編集 平野亜矢)
[日経クロストレンド 2022年3月16日の記事を再構成]