Wi-Fiの電波が届かない すぐつながる簡単な解決法は
Wi-Fiトラブル完全解決ガイド(3)
Wi-Fiルーターの電波は離れるほど弱まり、壁などの障害物によってさらに減衰する。電波が届かなければWi-Fiの速さを生かせない。電波を遠くまで飛ばすには、中継機が最も手軽な解決策だ。中継機はその名の通り、Wi-Fiルーターからの電波を橋渡しして子機まで届ける(図1、図2)。
魅力は導入のしやすさ。中継機にルーターのSSIDと暗号キーがコピーされ、子機は電波の強いほうに接続する仕組みで、既存のネットワーク環境を変えずに済む(図3)。大半の中継機は自動で設定でき、メーカーを合わせる必要もない(図4、図5)。
中継機は設置場所も重要
中継機を使う際には、最も効果的な設置場所を考えよう。中継機は受信したデータをそのまま送信するだけなので、ルーターとの接続が安定していることが必須条件だ。ここで減衰すると、いくら中継機と子機の電波状況が良好でも、失ったデータは元に戻せない(図6、図7)。
ちなみに、Wi-Fiルーター自身が中継機として動作する製品もある(図8)。
電波の網の目「メッシュ」にも注目
中継機は受信と送信を同じ周波数帯で同時に処理できないのが弱点。受信と送信を相互に実行すると、伝送速度は実質半分になる。そこで、5GHz帯と2.4GHz帯それぞれで、受信と送信を同時に実行できる機能がある。メーカーごとに名称は異なるが「デュアルバンド同時接続」などと呼ばれる。
最近の中継機には「メッシュネットワーク」に対応した製品も増えている。これは電波を網の目のように張り巡らせる技術で、対応製品はWi-Fiルーターの一部機能を代行できるので、通信速度が向上し通信範囲も広がる(図9)。
ただし価格は通常の中継機より高めで、基本的に同じメーカーの同一シリーズでそろえる必要があるのが難点だ(図10)。
しかし、最近はメーカーの垣根を超えた「イージーメッシュ」という標準規格を採用した製品も登場し始めている(図11~図13)。
(ライター 五十嵐俊輔)
[日経PC21 2022年1月号掲載記事を再構成]
関連リンク
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。