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循環器病と脳卒中の関係は?

ここで、循環器病について少し説明しておこう。循環器は全身に血液などを循環させる臓器で、代表例は心臓と血管だ。循環器病とは、この循環器の病気を指す。

循環器病には、弁膜症、心筋症、先天性心疾患、不整脈など心臓の病気、心臓へ血液を送る冠動脈が詰まる虚血性心疾患、肺塞栓症、肺高血圧症、大動脈瘤、大動脈解離、末梢動脈疾患などの血管の病気、脳の血管に問題が起こる脳卒中などがある。

脳卒中は、脳の血管が詰まったり破れたりするもので、循環器病の一種だ。血管が詰まる脳梗塞、脳の内部の血管が破れる脳出血、脳の表面のくも膜下腔に出血が起こるくも膜下出血がある。

ただ、脳卒中は脳神経内科や脳神経外科で扱うため、循環器内科の守備範囲は心臓と、それから脳を除いた血管となる。そのため、循環器内科の専門医が循環器病の話をするときは、脳卒中を除いていることが多い。紛らわしいが、循環器病について統計データなどを見るときには、脳卒中を含むかどうかを確認しよう。

同じ血管の病気なので、脳卒中と他の循環器病は深く関わっている。例えば、血管の病気の原因は主に動脈硬化だから、動脈硬化を防げば脳卒中も他の循環器病も予防できる。

心臓の病気が原因で脳梗塞が起こることもある。不整脈の一種の心房細動は、心房が正常に拍動しないで、けいれんするように細かく震えるものだ。心房細動が起こると、心房の中で血液の流れが悪くなり、血の塊ができる。この塊が血管を通って移動し、脳の血管に詰まると脳梗塞になる。脳卒中の約4分の3は脳梗塞で、脳梗塞の約3割はこの心房細動など心臓の疾患が原因だ。

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今回は循環器病とはどんなものか、なぜ循環器病が増えているのかについてまとめた。次回は、どうすれば心不全を予防できるのかについて、引き続き原田さんに解説いただく。

(文 梅方久仁子、図版 増田真一)

原田睦生さん
東京大学大学院医学系研究科循環器内科講座 先端臨床医学開発講座 特任准教授。循環器内科専門医。日本循環器協会 評議員。1998年、山形大学医学部卒業。山形大学医学部附属病院第一内科、石巻赤十字病院循環器内科、千葉大学医学部循環病態医科学などを経て、心臓幹細胞の研究のため2009年に英国インペリアルカレッジロンドンに留学。2018年より現職。好きな飲料はクラフトビール(IPA)。

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