共通のプレイリストを作成

――マッチングが成功すると、お互いの好みを分析し、おすすめプレイリストが自動生成される機能も面白いですね。

生本訓昭 1976年生まれ、兵庫県出身。クリエイティブチームBALCOLONY.代表。音楽やアニメ作品のアートワークを手掛けつつ、デジタルコミュニケーションに特化したチーム、TRIBALCON.を設立

お互いのミュージックライブラリーを解析して、タイムライン上に月に1度のペースでプレイリストが自動的に作成されるようになっています。音楽の好みが近い人から、まだ聴いたことのない曲をレコメンドされるようなものなので、ユーザーからの評判も良いですね。「ボカロPの楽曲を、PULLきっかけで聴くようになった」など、新たな曲に出合える場となっています。またタイムラインでは、マッチングした人たちが作成したプレイリストを見ることができ、その曲をすぐ聴けるようにもなっています。

現状、ユーザーは男女が半々くらいで、年齢関係なく音楽好きの方が使って下さっています。今後の拡大戦略の1つとして、ミュージシャンや音楽キュレーターの方々にオフィシャルユーザーとして参加してもらおうと考えています。彼らは、今聴いている曲のプレイリストをツイッターなどに上げていますが、それをPULLでやっていただければなと。例えば、ゲスの極み乙女。の川谷絵音さんは様々な媒体で発信されているので、ぜひ使ってもらえるとうれしいですね。

今後ミュージシャンの方が多く入ってきて下さると、そのファンの方たちもPULLを使ってもらえると考えています。好きなミュージシャンが聴いている曲はきっと気になるでしょうし、ファンの方同士がつながることができる場にもPULLは最適だと思っています。

スズキの視点

海外のアプリストアで「ミュージックカテゴリ」に意外に多いのが、「PULL」のような音楽ストリーミングサービスと連携して、様々な付加価値を提供してくれるアプリです。ストリーミングが広げてくれた音楽体験もあれば、逆に失ったものがあるのも事実です。その1つがこうしたコミュニティーで、コロナ禍で必要となった音楽の力をさらに増幅してくれるアプリとなりそうです。音楽を媒介にした人のつながりを可視化できたり、リアルな体験と連動するなど、PULLは大きな可能性を秘めていると感じます。

鈴木貴歩
 ParadeAll代表取締役。“エンターテック”というビジョンを掲げ、エンタテインメントとテクノロジーの幸せな結びつきを加速させる、エンターテック・アクセラレーター。エンタテインメントやテクノロジー領域のコンサルティング、メディア運営、カンファレンス主催、海外展開支援などを行っている。

(構成:中桐基善)

[日経エンタテインメント! 2021年11月号の記事を再構成]