日経PC21

Q:Type-C端子からノートPCを充電できる?

最近のノートパソコンには電源専用の端子を持たず、Type-C端子から充電するモデルが増えている。本特集で何度も言及したUSB PDの恩恵だ。最後に、通常のType-C端子とPD対応、およびオルトモード対応の端子の違いを整理しておこう。

パソコンを充電できるのはPD端子のみ(図8上)。また、映像と音声を出力できるのはオルトモード対応のType-Cに限られる。実際にはPDとオルトモードに両対応していることが多い。

給電に関しては、モバイルディスプレーのような大消費電力の機器に給電できるのはPDだけ。スマホの充電は通常のType-Cでも可能だが、大電力のPDなら短時間で済む(図8下)。ディスプレーに関しては、図8の上と下で電力供給の向きが逆になる。通常のPD対応ディスプレーではディスプレー側からの電力でノートパソコンを充電し、モバイルディスプレーはパソコン側からの電力で駆動する。

図8 ノートパソコンを充電できるType-C端子はUSB PD対応のものに限る。また、パソコンがオルトモードに対応し、PD対応のディスプレーであればパソコンから映像を出力しつつ、ディスプレー側からの給電でパソコンの充電もできる。PD対応のモバイルディスプレーはパソコンからの給電で動作しながら映像信号も受信する。スマホはPD対応端子につないだほうが短時間で充電できる

以上のような特徴を生かしたPD対応のハブもある(図9)。外付けSSDなどをつなぐ端子のほかに、パソコンに給電する端子が用意されており、モバイルバッテリーなどはそこにつなぐ。

図9 PDに対応したUSBハブをパソコンのPD 対応端子に接続すると、パソコンへの給電と機器への給電、データ転送を同時に行える。この機種では左端の端子に挿したPD対応充電器からパソコンを充電しながら、ほかの端子で外付けSSDなどを利用できる

(ライター 石坂勇三)

[日経PC21 2022年2月号掲載記事を再構成]