日経PC21

Q:Type-Cのハブなら電力不足にならない?

AC電源アダプターを使わずにパソコンからの電力だけで動作するバスパワー型のUSBハブは取り扱いやすくて便利だが、問題は電力。多数の機器をハブにつないだ際、消費電力が大きいポータブルDVDドライブなどが動作しなかった経験はないだろうか(図5)。パソコンのType-A端子につなぐバスパワー型のハブは電力不足に陥りやすいという欠点がある。

図5 パソコンのUSB端子にバスパワー型(AC電源なし)のUSBハブをつなぎ、そこに複数の周辺機器を接続。Type-A端子は供給できる電力が小さく、ポータブルDVDなど消費電力が大きい機器が動かないことがある。Type-CならUSBハブに複数の周辺機器をつないでも電力に余裕がある

単純に電力不足の問題を解決するのであれば、AC電源アダプターを使うセルフパワー型ハブにすればよい。だがもう1つ、パソコンのType-C端子につなぐバスパワー型ハブを使うという手段がある。Type-C端子は流せる電力が大きいので、電力不足に陥りにくい。周辺機器をつなぐ側の端子にはType-Aもあるので、Type-Aの機器もそのまま挿せる。

バスパワー型ハブはパソコンからのUSB給電で駆動し、ハブ側の各端子に電力を均等に割り当てるのが一般的だ。端子が3つなら3分割、4つなら4分割となり、端子の数が増えるほど1端子当たりの割り当て電力が減る。また、パソコンからの電力の一部がハブの駆動に使われる場合もある。

Type-Aでの電力割り当て例を図6に示した。この製品は3.2 Gen 1でも端子当たり1.2Wと少なく、2.0だと0.65Wまで落ち込む。これではポータブルDVDなどの駆動は厳しい。一方で、Type-Cの例を図7に示した。この製品では4つある端子にそれぞれ3.75Wずつ割り当てられるので、電力不足に陥る心配は少ない。

図6 エレコムのType-Aバスパワー型USBハブ(3端子)を例に、端子ごとの電力量を示した。仕様書ではUSB 3.2 Gen 1だとパソコン側の出力が4.5Wであっても、ハブに到達した時点で3.6Wに減衰し、そこから各端子に1.2Wずつ割り当てられるようだ。これだとポータブルDVDなどが動作しない恐れがある。USB 2.0端子に接続するとさらに供給量が減る
図7 エレコムのType-Cバスパワー型USBハブ4(4端子)の電力量を示した。このハブは本体で減衰することなく15Wで出力し、各端子に3.75Wずつ割り当てる。これなら電力消費量が大きい周辺機器を接続しても電力不足になる心配は少ないUSBハブは各端子に電力が分割される
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Q:Type-C端子からノートPCを充電できる?