複雑怪奇な規格と仕様のUSB Type-Cを理解する連載の5回目。最終回となる今回は電力にまつわる3つの謎を解き明かしていこう。
Q:Type-AよりType-Cは大電力?
スマホをパソコンに接続して充電するときは「Type-AよりType-Cに挿したほうが短時間で充電できる」と思っている人がいるが、その考え方はあながち間違いではない(図1)。どちらの端子にも挿せるなら、迷わずType-Cを選ぼう。データ転送速度はUSBの規格に依存するが、こと給電能力に限っては、Type-CのほうがType-Aよりも優秀だ。

充電にかかる時間はUSB端子からの電力が大きいほど短くなる。Type-Aは2.0が2.5ワット(W)、3.2が4.5Wと、スマホ充電端子としては能力不足が否めない。その一方でType-Cは標準電力規格の「Current 3A(カレント3アンペア)」で最大15Wまで流せる。Type-Aより圧倒的に大きい。
Type-Cの電力規格で最上位に君臨するのがUSB PDだ。この規格は主に電圧(V)を上げることで最大電力100Wを実現している。使うにはパソコンとスマホの両方が対応することが必要だが、Type-Aで5時間かかった充電がわずか50分で完了(図2)。空いているなら迷わずPDを使いたい。

Type-A端子しかない古いパソコンではUSB BCに注目。これはスマホ充電向けのType-A電力規格で、最大7.5Wと通常よりも大電力だ(図3)。

端子の充電規格がわからなければ、端子近くのマークで推測しよう(図4)。Type-Aで稲妻やコンセントのマークは電源オフ充電を意味するが、USB BCに対応していることもある。Type-CでコンセントやバッテリーのマークがあればUSB PDを示す。

