日経PC21

Q:外付けSSDはType-Cにつなぐべき?

最近はポータブルHDDの代わりにポータブルSSDを使う人も増えてきた。ほかの携帯ストレージを圧倒する高速転送が魅力だが、迷うのがパソコンとの接続。ポータブルSSDにはType-AとCの両方のケーブルが付属する製品もあり(図7)、どちらを使うべきか悩ましい。

図7 外付けSSDの付属品として、パソコン側の端子がType-AとType-Cの2種類のケーブルが同梱されていることがある。どちらも使えるパソコンの場合、必ずType-Cのケーブルを使う必要があるのだろうか。疑問を解消しよう

パソコン側のType-AとC、どちらに接続するかはSSDの転送速度を基準に考える。最大転送速度が500MB/秒以下のSSDなら、同等の転送速度を持つ3.2 Gen 1のType-A端子につないでも性能をフルに発揮できる(図8図9)。このタイプのSSDは「SATA(シリアルATA)」という内部インターフェースを採用しており、仕様にSATAと記載されていればType-AでOKと判断してよい。

図8 最大転送速度が500MB/秒以下のポータブルSSDなら、パソコン側のType-A 3.2 Gen 1端子(5Gbps、500MB/秒)につないでも性能をフルに生かせる。一方で1000MB/秒を超えるような高速SSDを3.2 Gen 1端子につなぐと速度が出ない。ちなみに500MB/秒でも内蔵HDD(140MB/秒ほど)よりずっと速い
図9 パソコン側のType-AおよびCの端子と規格(速度)の組み合わせを再確認しよう。パソコンのType-A 端子は3.2 Gen 1がほとんどで、3.2 Gen 2搭載機はめったにない。500MB/秒超のSSDを使うなら、3.2 Gen 2以上のType-C端子に接続しよう

500MB/を大幅に超える高速SSDは、Type-Aではなく3.2 Gen 2以上のType-Cにつなぎたい。Type-Aは500MB/秒で頭打ちとなり、高速SSDの性能を引き出せない。そうした製品は「PCIe」「NVMe」と呼ばれるタイプで、仕様にそうした記載があれば3.2 Gen 2以上のType-Cに挿すべきだと判断できる。実際に、SATAとPCIeのSSDでテストした結果を図10図11に示す。

図10 最大転送速度が540MB/秒のSSDを接続したときの読み書き速度を計測した。Type-A の3.2 Gen 1に接続すると最大転送速度を少し下回ったが、許容範囲内だろう。Type-CのUSB4なら性能をフルに発揮。半面、2.0だと速度が10分の1以下になった
図11 最大転送速度が1050MB/秒のSSDをパソコン側のType-A の3.2 Gen 1に接続すると、パソコン側の最大転送速度でしか読み書きできなかった。接続するSSD以上の速度で転送できるUSB4端子の場合は問題なく性能を発揮できた

(ライター 石坂勇三)

[日経PC21 2022年2月号掲載記事を再構成]