USB端子の性能を徹底比較 こんなに違う「A」と「C」USB Type-C あるある落とし穴(2)

日経PC21

複雑怪奇な規格と仕様のUSB Type-Cを理解する連載の2回目。今回からはQ&A形式でType-Cの迷宮を解き明かしていこう。

Q:Type-C端子の規格は見分けられる?

自分のパソコンに搭載されているUSB端子の規格は何か──。 従来のType-Aだったら端子を実際に見て、内部の色やピン数から規格を推測できるが、Type-Cではこういった方法が通用しない(図1)。というのも、3.2、USB4といった規格に起因するデザイン的、構造的な違いがType-Cにはないからだ。端子の形状を見て規格がわからないのも、Type-Cがややこしい理由の1つ。基本に立ち返ってメーカーサイトの仕様で確認しよう。

図1 Type-A端子の場合、USB 2.0規格なら色が黒で、3.2規格なら端子内の色が一部青になっているので規格を判別しやすい。また、端子内のピンの数も3.0のほうが5本多い。Type-Cは端子の色やピンの数で規格を判別できない

パソコンにType-C端子が搭載されるようになってから、メーカーのスペック表も複雑になった。記載内容をしっかりと読み解こう。例えば図2のパソコンは、USB3.2 Gen 2のType-C端子が1つと、3.2 Gen 1のTypeーA端子が2つ、2.0のType-A端子が1つという構成だ。Type-A端子のうち1つは電源オフ充電にも対応している。このほか、USB4とサンダーボルト4の規格に両対応したType-C端子、オプション規格のオルタネートモードやUSB PDに対応したType-C端子などもある。

図2 使っているパソコンのUSB端子を調べるときは、メーカーのウェブサイトで仕様を読み解く必要がある。図の例はType-Cの3.2 Gen 2端子、電源オフ充電対応のType-A 3.2 Gen 1端子、通常のType-A 3.2 Gen 1端子が左側面に1つずつ、Type-Aの2.0端子が右側面に1つある

端子近くにあるマーク(アイコン)は規格の判断材料になる。マークに「SS」と付いていれば3.2 Gen 1で、逆にマークがなければ2.0の可能性がある。「3.1」マークが付いているなら3.2 Gen 2だ(図3)。

図3 端子の周囲にあるマークで規格がわかる場合もある。やや古い機種の「3.1」マークは3.1 Gen 2(現在の3.2 Gen 2)を示す。稲妻の矢印マークはThunderbolt 3か4で、「D」マークはオルタネートモード対応を示している

以上はType-AとCで共通。一方、稲妻の矢印マークはサンダーボルト3もしくは4を意味し、Type-Aに矢印のない稲妻やコンセントのマークが付いている場合は電源オフ充電に対応した端子だ。

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Q:Type-CはType-Aより高速なの?