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バルミューダ、初のスマホ 強いこだわりで評価二分

佐野正弘のモバイル最前線

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独自の技術やデザインで、扇風機やトースターなどのヒット製品を連発して人気を集める新興家電メーカーのバルミューダ。そんな同社は2021年5月にスマートフォン市場への参入を発表し、大きな注目を集めていた。

バルミューダは11月16日に製品発表会を開催、満を持して同社初のスマホ「BALMUDA Phone(バルミューダフォン)」を発表した。同社社長兼チーフデザイナーである寺尾玄氏は発表会で「iPhoneがあまりにスタンダードになってしまった」と語ったように、BALMUDA Phoneは均質化が進むスマホ市場に一石を投じる、寺尾氏の強いこだわりが反映された製品となった。

BALMUDA Phoneはディスプレーサイズが4.9インチと、6インチ台がスタンダードとなりつつあるスマホの中では非常に小さい。寺尾氏がスマホに持ちやすさを求めたためだ。

寺尾氏が開発に当たってさまざまなサイズのボディーを検討したところ、片手で持ったときに最もしっくりくるサイズが4.8インチだった。途中で高速通信規格「5G」に対応する必要が生じたため、部品が入りきらなくなり、結果的に0.1インチ大きくなってしまったというが、それでもコンパクトであることは確かだ。

もう1つ、本体で特徴的なのがデザインだ。BALMUDA Phoneは背面に丸みを帯びたデザインを採用しており、手に持ったときにしっかりとフィットする。小型のサイズ感もあいまって、実際に手にするとiPhone 3G時代のスマホを思い出す。

寺尾氏は、BALMUDA Phoneは「すべて曲線だけで構成されたデザイン」とも語っており、ボディーだけでなくディスプレーの表示部分まで丸くカーブしているのが特徴的だ。あえて直線を廃することにより、親しみやすさを演出しているようだ。

素材にも強いこだわりがある。背面には少しざらついた質感の素材を用いているが、こちらは長く使い続けることで、革製品などのように味わい深い変化が出る特殊な仕上げが施されている。買い替えサイクルが早いスマホは長期間利用することを想定していないことも多く、スマホの常識にとらわれない発想はバルミューダらしいといえる。

基本アプリも独自開発で強いこだわり

寺尾氏のこだわりはハード面だけでなく、ソフト面にも大きく表れている。BALMUDA PhoneはOS(基本ソフト)に「Android 11」を採用しているが、基本的なアプリはすべて独自に開発したものを搭載しているという。

例えばスケジューラーは、ピンチ操作でカレンダー表示を1年から1日までダイナミックに拡大・縮小でき、検索機能などを使うことなく目的の日時の予定を確認しやすくなっている。メモも同様に、ピンチ操作でメモの一覧を拡大・縮小して目的のメモを探し出せるほか、作成したメモが時系列に配置されるのではなく、自分で好きな場所に移動して整理できるようになっている。

電卓も桁の大きな数字の計算がしやすくなるよう、「億」「万」などの漢字表示に切り替えられるほか、現在の為替レートで海外の通貨に変換して計算することも可能。時計にはダイバーズウォッチのような回転ベゼルを用意し、経過時間を確認しやすくするなどの工夫を施している。

もう1つ、大きな違いはホーム画面だ。BALMUDA Phoneはホーム画面も独自に開発している。スケジューラーやメモなどの基本的なアプリはホーム画面をスワイプすることで利用できるほか、画面の左上をタップする回数によって各アプリを呼び出せるようになっている。ホーム画面上のストライプをスワイプして、特定のアプリを呼び出せる仕組みも備えている。

寺尾氏はBALMUDA Phoneの開発に当たって、スマホを使う時間を短くすることに力を入れたと語っている。現在はSNS(交流サイト)や動画、ゲームなどでスマホを1日中見続ける人も多い。だが、寺尾氏はスマホを見る時間を最小限にしてほかのことに時間を費やせるよう、アプリ開発に当たっては必要な作業を効率よくこなせることに注力した。

スマホとしてのコスパは悪く、評価も大きく分かれる

ほかにも、着信音はかつてミュージシャンだった寺尾氏が仲間と制作するなど、随所にバルミューダ、もっと言えば寺尾氏の強いこだわりが見てとれる。だがその強いこだわりが故に、さまざまな部分でコストがかさんだようで、コストパフォーマンスは必ずしも高くはない。

BALMUDA Phoneの性能を見ると、プロセッサーは米クアルコム製の「Snapdragon 765」で、メインメモリー(RAM)は6ギガバイト(GB、ギガは10億)、ストレージは128GBとなっている。これはハイエンドモデルとミドルクラスの中間に相当する性能だ。

またメインカメラは4800万画素のものが1つのみであるほか、本体サイズが小さいこともあってバッテリー容量は2500ミリアンペア時(mAh)と、4000mAh台が一般的な最近のスマホと比べると明らかに少ない。

通常のスマホであれば、やや安めの価格帯、具体的には4万~5万円程度の値付けが妥当なところだろう。

だが、BALMUDA Phoneの価格は同社の直販サイトで10万4800円、国内携帯電話会社では独占的に取り扱うというソフトバンクの販売価格は14万3280円と、「相場」の2倍以上の値付けがなされている。ソフトバンクで購入する際は「新トクするサポート」を適用することで、端末返却が必要なものの支払総額は7万1640円とやや安くなる。しかし、それでも性能を考えれば高いことに変わりはない。

そのため発表直後から、SNSなどではBALMUDA Phoneに対する失望の声が多数上がっていた。その一方で予約開始から間もなく、直販サイトでホワイトモデルが品薄となったことから、一定の人気を獲得している様子もうかがえる。

では一体、BALMUDA Phoneはどのような人に向けたスマホなのか。価格と寺尾氏のこだわりを考慮すると、従来型の携帯電話「フィーチャーフォン」を利用していたり、スマホをあまり使いこなしたりしていない層、具体的には年配層やこだわりの強いビジネスパーソンなどがターゲットとなりそうだ。

一方で、スマホを積極的に利用する若い世代には向かないだろう。評価が非常に大きく分かれているだけに、BALMUDA Phoneが利用者をかなり選ぶスマホであることは間違いない。

佐野正弘
福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。

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