
バンダイナムコグループは、今までゴミとして捨てられていた「ガンプラ」のランナー(組み立て前のパーツが付いている枠)を回収し、リサイクルする活動を進めている。消費者の参加を促すための施策「ガンダムR(リサイクル)作戦」も展開し、1カ月で約1トンのランナーを回収。2021年11月20、21日には集大成となるイベントを東京・新宿で開催した。
ガンダムを通じてリサイクル活動を啓蒙
バンダイナムコグループは、キラーコンテンツである「機動戦士ガンダム」シリーズを軸に、グループ内の複数の企業を横断する形で「GUNDAM UNIVERSAL CENTURY DEVELOPMENT ACTION」(GUDA)と名付けたプロジェクトを進めている。人口増加や地球環境の悪化など、ガンダムの物語でも示唆された社会課題に対し、ガンダムを旗印に、ファンや外部パートナーと協力して取り組んでいこうという取り組みだ。
その一環として、リサイクルへの関心を高める活動「ガンプラリサイクルプロジェクト」を21年4月に開始した。これはバンダイナムコホールディングス、BANDAI SPIRITS(東京・港)、バンダイナムコアミューズメント(東京・港)、バンダイロジパル(東京・葛飾)の4社が協力することで、ガンダムのプラモデル「ガンプラ」を生産したときの廃材を回収、リサイクルしようというもの。生産現場で出る廃プラに加え、ユーザーが組み立てる際に出るランナーも消費者から回収する。
活動の成否を握るのは、消費者から回収するランナーをいかに増やすか。このため、ガンプラリサイクルプロジェクトでは、バンダイナムコアミューズメントが展開するアミューズメント施設など、約190カ所の店舗に専用の回収箱を設置。21年度の回収目標を10トンに定めた。これは、国内で出荷しているガンプラから出るランナーの年間総重量の約1%。30年までに年間500トンに増やすのが目標だという。