2つ用意した静音構造

単色タイプは、クリップ部分にノック機能を持たせた新しい設計だ。一般的なボールペンはノックの操作でペン先を出し入れする際、回転子と呼ばれる本体内部の部品が上下に行ったり来たりする構造で、その衝撃が音の発生につながる。しかしカルムでは、この回転子の上下の動きを摺動子(しゅうどうし)という部品で受け止め、衝撃を緩和。ノック操作の手応えは残しつつ、音を小さくする仕掛けになっている。

野村氏は、「ノック操作をしても静か、けれどもノック感は程よいという微妙なバランスの取り方について、時間をかけて丁寧に詰めた」と説明する。

単色タイプの静音設計図。ノック式は、ノックの方向を回転方向に変えて、ペン先を出した状態にとどめたり、引っ込めたりする回転子(オレンジ部分)が動く。それを摺動子(ブルー部分)が受け止めて静音性を高めている
ノックを押し下げると、単色タイプはペン先が出て、もう1回押し下げると戻る仕組み。指が掛かる部分の湾曲や微妙に反ったクリップの形状が、操作性の向上に貢献している。一方、3色タイプは黒芯が、多機能タイプはシャープペンシルのペン先が出てくる

3色タイプと多機能タイプの静音設計は、シンプルな構造だ。一般的にペン先を出すときの音はあまり大きくないが、戻すときの音は大きい傾向にある。そこでカルムは後軸の頭部分に緩衝材を入れて、芯が本体内部に戻ったときの衝撃を和らげる設計にしている。

こちらは3色タイプと多機能タイプの場合。後軸の上部内側に緩衝材が入っていて、ペン先が引っ込んだときの音を軽減させる

こうした静音設計のおかげで、ノック時の操作音を66%も減らした(ぺんてるの自社従来品比)。一般のボールペンではどんなに静かに操作しようとしても、カチカチとした硬質な音がゼロにならないが、このカルムはシュカッと乾いた音がする程度だ。音質の差のせいか、カフェなど周囲の音がある程度聞こえる場所では、そのノック音がほとんど聞こえなかった。ノックボタンをそっと押して、跳ね返り時も指を最後まで添えていれば、無音と言っていいレベルにもできる。

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