インスタグラムも、20年8月に縦型動画「リール」をリリースしている。そして21年には、LINEが動画プラットフォーム「LINE VOOM(ラインブーム)」を提供開始した。

LINE VOOMは、これまで「LINEタイムライン」として提供していた投稿機能をリニューアルしたもの。LINEの「友だち」ではなく、フォロワーに向けて投稿をする機能だ。縦長でスマホの全画面に表示される点や、最大15秒の短尺動画を投稿できること、おすすめ動画が嗜好に合わせてレコメンドされるなど、全体的にティックトックと共通する要素が多い。クリエーター向けの収益化プログラムも用意されている。
22年注目のSNS機能の1つが、「ライブコマース」だ。SNSなどのライブ配信を利用し、配信者は視聴者とコミュニケーションを取りながら販売を促進する。中国などでは数年前から盛んになっていたが、コロナ禍でリアルなショッピング体験を求めるユーザーのニーズもあり、世界的な広がりを見せ始めている。
日本でも21年9月、ツイッターとネット通販サイト「Qoo10」がコラボレーションして実施。ツイッターの韓国チームが中心となった、日本では初めての取り組みだったが、韓国のスキンケアブランド「Nature Republic(ネイチャーリパブリック)」や「TIRTIR(ティルティル)」などのブランドが参加した3回の配信では、合計でおよそ210万人が視聴し、品切れとなる商品もあったという(ツイッターは企業がツイッター上で製品を販売できるショッピング機能「ショップモジュール」も、グローバルでテスト中だ)。
SNSでライブコマースを利用できるようになれば、今以上に売り手と買い手がコミュニケーションしながらの、楽しいショッピング体験ができるだろう。
(ライター 鈴木朋子)
[日経エンタテインメント! 2022年2月号の記事を再構成]