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日産ノート上級車、目標の2.5倍受注 目指したのは

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日経クロストレンド

日産自動車の「ノート」と言えば、2016年に電動パワートレインの「e-POWER」搭載車を発表して人気に火が付き、18年1~12月には登録車の月間販売台数1位を連続して獲得した、同社を代表するコンパクトカーだ。20年12月にはフルモデルチェンジを果たし、発売から約1カ月で月販目標台数(8000台)の約2.5倍となる2万台を受注する好調なスタートを切っている。

ところが日産はここでとどまらず、ノートをベースとした「ノート オーラ」(以下オーラ)を追加すると21年6月に発表した。価格は、既存のノートが202万9500~244万5300円(税込み)なのに対して、261万300~295万7900円(税込み)と約50万円も高価だ。この価格はトヨタ自動車「ヤリス」、ホンダ「フィット」など国産ライバル車と比べても強気で、フォルクスワーゲン「ポロ」やプジョー「208」などの人気輸入車と競合するものだ。それでも、オーラの受注台数は21年8月17日の発売から約3週間で1万台を突破。本家ノートの台数に迫る勢いがあり、ヒットの兆しを見せている。

なぜ日産は、ノート発売から1年を待たずにオーラを追加したのだろうか。オーラ投入の理由を、日産 日本マーケティング本部 チーフマーケティングマネージャーの丸地隆史氏は、「他社の投入モデルが少ないゾーンを狙ったプレミアムコンパクトカーとして企画。開発は新型ノートと同時に行った」と話す。

同社がオーラで狙うのは、単なる「移動手段」ではない、もっと上質なクルマを求める40代後半から50代前半の世代だ。同社では、それまでもっと大きなクルマに乗っていた人の小型車への乗り換え(ダウンサイザー)が約半数になると想定している。これに対してノートは、利便性を求める50代後半が中心で、同クラスの小型車や軽自動車からの乗り換えが7割近くを占める。ノートとオーラではかなり客層が異なるのだ。

装備や静粛性で大きく差異化

では、新しく出たオーラにプレミアムな価値はあるだろうか。筆者は、オーラの武器は、「高品質な内外装」「高機能な装備」「静粛性と走りの良さ」の3点で、既存の国産コンパクトカーを大きく上回っているところだと思う。

まずはビジュアルだ。ノートとオーラは車台など基本部分を共有するが、印象はかなり異なる。先進的だが、おとなしいデザインのノートに対して、オーラは見るからに高そうに見えて、とても中身が同じクルマとは思えない。

それもそのはずで、外観上の共有部品は、ボンネットやルーフ(屋根)など一部しかない。オーラの優雅な形状を描くために、前後のフェンダーや後席ドアも専用品に変えた。また全幅を40ミリメートル拡大してボディーを3ナンバー化したうえで、タイヤもノートより1~2インチ大きな17インチにした。

内装も、車内空間の広さや基本的なデザインはノートと同じだが、装飾を豪華にして差別化している。大きな部分ではシートの変更がある。オーラはヘリンボーン柄のツイード調織物と合皮のコンビシートもしくは本革シートが選べる。ノートとオーラのシートを座り比べると、よりオーラのほうがクッション性は高いように感じる。またインテリアパネルも、オーラでは木目調加飾やシート同様のツイード調の織物を使うことで、上質な空間を表現した。

クラスを越えた充実装備としては、ノートではオプションのLEDヘッドライトやアルミホイールの標準化が目立つ。内装面では、デジタルメーターをノートの7インチに対してオーラでは12.3インチに拡大したのも目立つ。

そして、最も高級車らしい装備と言えるのがオーディオ装置のオプションでBOSEの「BOSEパーソナルプラスサウンド」を国内で初めて採用していることだ。試聴してみると、従来のコンパクトカーとは一線を画すリッチなサウンドが楽しめた。見た目でも音でも高級車らしい世界観を演出できていると思う。

走りの良さについては、e-POWERに専用チューニングを加えることで実現。ノートと比べると最高出力が15キロワット(20馬力)増の100キロワット(136馬力)、最大トルクが20ニュートンメートル(N・m)増の300N・mにパワーアップしている。これにより、発進時の加速が力強いだけでなく、時速60キロメートルからの加速にもゆとりが生まれるという。

ちなみにe-POWERのエンジンは発電のみに使われるので、エンジンの仕様に変更はない。また静粛性を高めるべく、オーラには遮音材や吸音材を追加したうえで、スカイラインなどの上級車種に使われている、高性能な遮音ガラスを前席ドアの窓ガラスに採用している。静粛性が高いので、前述のBOSEサウンドもさらに生きてくる。

値付けも絶妙でノートと食い合うことなく売れそう

オーラは、これまでの日本車が成功していないプレミアムコンパクトカーを目指している。ノートの派生車で正式名称も「ノート オーラ」だが、マーケティング上は、サブネームの「オーラ」を前面に打ち出すことで、新しさや世界観が異なるクルマであることを強調している。それでもノートの名を冠する理由を丸地氏は、「ノートは日産のコンパクトカーの顔。18年には国産車登録台数1位を数十年ぶりに獲得したし、知名度も高い。それがオーラの信頼や安心につながると考えた」と説明する。

これまで見てきたようにオーラは、ノートと差別化したうえで、上級車にも見劣りしない装備になっていると言える。国産のプレミアムコンパクトカーはほぼないので貴重な存在だ。しかも価格で競合する輸入コンパクトカーはエンジン車が多いが、オーラは電動車のe-POWERになるのも強みだ。さらに国産車なので故障の心配が少なく、維持費が現実的なのは大きな優位点となるだろう。さらに言えば3年後や5年後に買い替えた際も、輸入車よりもオーラのほうが下取りや買い取りの価格が高いと期待できる。

またノートとオーラの装備を見比べてみると、オーラは意外にお買い得なクルマとも言える。オーラの最下級グレード「G」とノートの最上級グレード「X」との価格差は、42万3500円あるが、ノートの装備をオーラに近づけると価格差は埋まっていく。

例えば、オーラでは標準装備となる360度カメラ、デジタルルームミラー、後側方車両検知警報などの先進安全運転支援機能、アダプティブLEDヘッドライト、アルミホイールを加えるだけでプラス25万1900円(税込み)となり、価格差は17万1600円まで圧縮される。基本的な見た目や質感はオーラが上なので、ちょっと装備を充実させたい人ならオーラを選んだほうが割安だと感じる。これはうまい価格設定だと思う。

ノートの派生車ではなく、オーラとしてPRする価値のある差別化はできており、ノートと顧客を奪い合うことなく、販売を伸ばしそうだ。ベース車のノートも、20年12月の第2世代でパワートレインをe-POWERに一本化して価格が上がったにもかかわらず、20年12月末の発売からの累計受注台数で見ると、平均で月8200台と安定したセールスを続けている。日本車の登録台数はノートとノート オーラの合算で集計されるため、トヨタ自動車の「ヤリス」や「ルーミー」との上位争いができるかもしれない。そして、低価格を売りにした国産コンパクトカーの中でオーラが売れれば、国産車市場の刺激にもつながりそうだ。

(ライター 大音安弘、写真提供 日産自動車)

[日経クロストレンド 2021年9月14日の記事を再構成]

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