専用アプリで音質をカスタマイズ可能

気になる音質は、とても素晴らしく自然だ。ただ、一般的なイヤホンのような没入感は得られない。ボリュームを上げて音楽を楽しむというより、ホドホドの音量で周囲とコミュニケーションを取りながら、BGM的に音楽を聴くのに向いている。音漏れは一般的なイヤホンと同程度でほとんど気にならない。

専用のアプリでイコライザーが利用できるので、好みのカスタマイズが可能だ。また、音声アシスタントの「Alexa」と「Googleアシスタント」も利用可能で、そちらで天気予報やニュースを聞いてもいいだろう。

専用のアプリでイコライザーを利用可能
音声アシスタントも使える

ソニーは2018年に「Xperia Ear Duo」という似たコンセプトのイヤホンをリリースしている。こちらも耳をふさがず、音楽や音声を聴きながら周囲の音を聞いたり会話をしたりできるイヤホンで、音を鳴らす機構であるドライバーユニットを耳の後ろに配置、音導管を通して音を鼓膜に直接届ける斬新なアイデアを採用していた。

右は以前発売していた周囲の音が聞こえる完全ワイヤレスイヤホンの「Xperia Ear Duo」

今回はその知見を生かし、ドライバーユニット自体をドーナツ状にする製品を開発したのだろう。ライバルの少ない製品だけに、ニーズに見合えば手に入れる価値はある。

社内でオンライン会議に利用したとき周囲の声が聞こえるメリットは大きい。ジョギングやウオーキングに利用しても安心だ。日常使いには最適な製品だ。

戸田覚
1963年生まれのビジネス書作家。著書は150点以上に上る。パソコンなどのデジタル製品にも造詣が深く、多数の連載記事も持つ。ユーザー視点の辛口評価が好評。