日経エンタテインメント!

ラジオパーソナリティーとして3年目を迎え、改めて感じるラジオの魅力、そして今後の目標は何なのだろうか。

「ラジオの魅力は、やっぱり何と言っても、小さなコミュニティーから始まり、その内輪ウケがどんどん広がっていく面白さですかね。良くも悪くもスタッフの数が少なく、マスに向けられたショーではないので、『親密さ』みたいなところからスタートする。それゆえに絆が強く、広まっていってもその純度が失われないんです。コアな絆から練り上げられていったものって本当に熱量がすごくて、きっとそれが、『仲間になりたい』とリスナーに思わせるんじゃないでしょうか。

僕がその内輪ウケの広がりを実感したのは、番組開始から半年後に本多劇場で行った初めての有料イベントのときでした。300席のチケットになんと1万通の応募が来て、やっぱりラジオのパワーってすごいなと思わされましたね」

裏面だったものが表面に

「それと、自分の身の回りであったことを聴いてもらえることもラジオの魅力ですね。ラジオで話すことで、失敗が失敗じゃなくなりますから。失敗が最高のエピソードトークとなることで、裏面だったものが表面にひっくり返るんです。そんな場所って、芸人さんをはじめ、表舞台に立つ人はみんな欲しているんじゃないかなと思います。

『オールナイト』は3年目になるので、恩返しをしたいですね。もっとリスナーに笑ってもらいたいし、聴けばやる気が出るような番組にしていきたい。そして、この内輪ノリがより広まっていくような悪ふざけに今後も挑戦していければなと。あと、エンタテインメント業界で働く1人として、コロナ禍で大変な思いをしている同業者たちの力にもなりたいです。特に大きなダメージを受けているライブ業界の面白いコンテンツなどを紹介することで、一助になればなと思っています。

1年でも多く『オールナイト』を続けたい気持ちはやっぱり強いですね。それくらい僕にとっては特別な存在なんです。でも、人の入れ替わりは当然のことだと思うので、その日が来たとしても、他のところでしゃべりたい。それは他の時間帯のラジオかもしれないし、ポッドキャストかもしれません。しゃべる仕事の魅力に取り憑(つ)かれてしまった感は、確実にありますね(笑)」

(ライター 中桐基善)

[日経エンタテインメント! 2021年11月号の記事を再構成]