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オールナイトニッポン0佐久間宣行が知った音声の魅力

ラジオ&音声メディア黄金時代(5)

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NIKKEI STYLE

日経エンタテインメント!

テレビ東京で『ゴッドタン』『あちこちオードリー』などのバラエティ番組のプロデューサーを務める佐久間宣行氏。彼は2019年に現役のテレビ局社員でありながら、『オールナイトニッポン0』(ニッポン放送)のパーソナリティーに抜てき。お笑いをはじめとしたエンタテインメント全般を熱く語るトーク、45歳のおじさん視点ならではの悲喜こもごものエピソードが幅広い層にウケて、現在3年目に突入する。

今年3月にはテレビ東京を退社して独立。フリーのプロデューサーとして、現在はYouTubeのチャンネルなども手掛ける。さらに、ラジオだけではなくポッドキャストをはじめとした音声コンテンツ全般にも精通。ポッドキャストの年間アワード「JAPAN PODCAST AWARDS」の審査員も務める。様々なメディアで発信を続ける佐久間氏は、近年の"音声熱への高まり"についてどう見ているのだろうか。

「音声コンテンツ市場は群雄割拠の時代に突入していて、今はすごくエキサイティングな状態にある気がしています。スマートフォンでラジオが聴ける『radiko』の台頭で、ラジオは再び脚光を浴びていますし、新しい音声メディアも次々に誕生している。

例えば『Voicy』では、起業家やインフルエンサーたちが学びになることを気軽に話してくれるので、サラリーマンにはためになるだろうし、『Audible』のような、書籍を音で聴くオーディオブックも伸びていますよね。『Clubhouse』はリリース当初に比べると下火になっていますが、いろんな人が手軽に参加できる音声チャットの可能性を教えてくれた。いずれは定着するものが出てくると思います。

いろんな番組が生まれているポッドキャストの魅力でいうと、時間の制限がないことと、ストックされていくことですね。なので、ラジオよりマニアックな話をしたり、たまに本筋と違う話をしたりしても大丈夫。後で聴いた人が発見してくれることもありますしね。生放送が多いラジオに比べると、ポッドキャストは基本録音なので、作り込んだ保存性の高い話ができる利点もあると思います。

音声コンテンツがこれだけ盛り上がっている理由は、各所で言われている話ではありますが、『radiko』を筆頭にテクノロジーの進化がやはり大きいと思います。それに加えて、今は世の中にコンテンツが増えすぎた結果、何かをしながらでも聴くことができる音声コンテンツが、現代人の生活にマッチしていることもあるでしょうね。

あと個人的に思うのは、今の人たちのなかで『嘘をつかれたくない』という感覚が年々強くなっていることが影響しているのかなと。『文春砲』という言葉が出てきたあたりから、それがより顕著になってきていて、時代的によりリアルなものが求められているんだと思います」

みっともない部分も見せる

「僕の『オールナイト』もそうですけど、特に1人しゃべり系の音声コンテンツは嘘をつけないというか、どうやったってパーソナリティーの人間性が出てしまう。僕自身も最初の1年は、リスナーから何が求められているかを考えて、テレビやお笑いの話を中心にしていました。ただ、2年目からコロナ禍となり家族と過ごす時間も増えたので、妻や娘の話もするようになったら、同年代のサラリーマンの方々を中心に予想以上の反響があった。改めて、リスナー層が思っていたよりも幅広いんだってことを知るきっかけにもなりましたね。

トークのスタイルも前に比べると変わってきていて、自分のみっともない部分とか、みみっちい価値観などを隠さずに出すようになりました。当初はエピソードトークとして面白いものを日々の生活の中から探してたんですけど、毎週事件が起きるわけでもないのですぐに尽きちゃって……。そこで、『自分がどう思ったのか』『自分の価値観がどう変わったのか』を混ぜてしゃべるようにしたんです。そうすれば、普通の出来事でも自分にしかできないオリジナルの話になる。これは、オードリーや伊集院(光)さんのラジオを改めて聴いて気づいたことで。ラジオを始めてからは、比べちゃうので人のラジオはなるべく聴かないようにしていたんですけど(笑)、さすがだなと」

「ありがたいことにオードリーの若林(正恭)くんには、『言葉に力があるから伝わるラジオになっている』と結構早い時期に言ってもらえて、自信につながりましたね。たぶんそれはサラリーマンとして試行錯誤をしてきたことが大きいのかなと。キー局で最下位のテレビ東京に入り、グルメと旅と音楽が中心のなかで、ほぼなかったお笑い文化を1つずつ積み上げてきた、その人生経験がトークににじみ出ているんじゃないかなと思います。

あと吉田豪さんに、『自分でしゃべって自分で笑う話し方は、ラジオの1人しゃべりに向いてる』と言われたのもうれしかったです。1人で話し手と笑い屋の2役を兼ねてるってことなので。『それって(スタジオで笑い声を出す)テレビマンだからですか?』とも聞かれて、『そうです』と適当に答えたんですけど、よくよく考えたらただ単にゲラなだけで、学生の頃からこのスタイルでした(笑)」

ラジオの力を借りて話す

『オールナイトニッポン0』では、劇団ひとり、バカリズム、オードリー若林正恭といったお笑い芸人たちが、定期的にゲスト出演し、佐久間氏とお笑い談議を交わしている。また『ゴッドタン』でも、「お笑いを語れるBAR」といった企画を定期的に実施。他にも『あちこちオードリー』や、今年7月から始めたYouTubeでも、芸人をゲストに呼んでいるが、「それぞれで見せようとしているものは、レイヤーが少しずつ違うんです」と明かす。

「『ゴッドタン』で2年前に始めた企画が『お笑いを語れるBAR』。芸人がお笑いについて語るという禁断のことを、他ではやっていなかったので、ある程度成功した中堅ぐらいの芸人さんなら、しゃべってもらっていいのかなと思って定期的に行っています。『あちこちオードリー』は、アンケートトークじゃないフリートーク番組もあまりないなと思ったから。こっちは自分のキャリアや仕事論を話してもらうのがコンセプトなので、別に芸人さんじゃなくてもよくて。若槻千夏さんなどのタレントさんにも来てもらっていますね。あとYouTubeは、僕が『芸人が1番ウケたなと思う瞬間』に興味があったので、それを聞くことがテーマだったりします。

じゃあ『オールナイト』に芸人さんを呼んで何をやろうとしているかというと、ラジオの力を借りて、その芸人さんと今まで話してこなかったことを語り合うイメージです。僕は基本的に芸人さんと飲みに行ったりしないので、『あの仕事のとき実はこう思っていた』みたいな、お互いの答え合わせができればなと。コロナ禍になってからは、収録後の雑談もできなくなっちゃいましたからね。

特に深夜ラジオって独特な空気が流れているので、『じゃあ、話そうかな』ってなるんです。まずスタッフの人数がすごく少ないのは大きいでしょうね。テレビだと30人ぐらいいるスタッフが見つめるなかでのトークになるところが、ラジオはブースの中にパーソナリティーと放送作家しかいなくて、そこにゲストが加わるわけで。そんな状態でのトークって、どうやったって特別なものになる。しかも僕のラジオは真夜中でみんなその日の最後の仕事になるので、飲み会のラストの時間みたいな雰囲気になっているんです」

ラジオパーソナリティーとして3年目を迎え、改めて感じるラジオの魅力、そして今後の目標は何なのだろうか。

「ラジオの魅力は、やっぱり何と言っても、小さなコミュニティーから始まり、その内輪ウケがどんどん広がっていく面白さですかね。良くも悪くもスタッフの数が少なく、マスに向けられたショーではないので、『親密さ』みたいなところからスタートする。それゆえに絆が強く、広まっていってもその純度が失われないんです。コアな絆から練り上げられていったものって本当に熱量がすごくて、きっとそれが、『仲間になりたい』とリスナーに思わせるんじゃないでしょうか。

僕がその内輪ウケの広がりを実感したのは、番組開始から半年後に本多劇場で行った初めての有料イベントのときでした。300席のチケットになんと1万通の応募が来て、やっぱりラジオのパワーってすごいなと思わされましたね」

裏面だったものが表面に

「それと、自分の身の回りであったことを聴いてもらえることもラジオの魅力ですね。ラジオで話すことで、失敗が失敗じゃなくなりますから。失敗が最高のエピソードトークとなることで、裏面だったものが表面にひっくり返るんです。そんな場所って、芸人さんをはじめ、表舞台に立つ人はみんな欲しているんじゃないかなと思います。

『オールナイト』は3年目になるので、恩返しをしたいですね。もっとリスナーに笑ってもらいたいし、聴けばやる気が出るような番組にしていきたい。そして、この内輪ノリがより広まっていくような悪ふざけに今後も挑戦していければなと。あと、エンタテインメント業界で働く1人として、コロナ禍で大変な思いをしている同業者たちの力にもなりたいです。特に大きなダメージを受けているライブ業界の面白いコンテンツなどを紹介することで、一助になればなと思っています。

1年でも多く『オールナイト』を続けたい気持ちはやっぱり強いですね。それくらい僕にとっては特別な存在なんです。でも、人の入れ替わりは当然のことだと思うので、その日が来たとしても、他のところでしゃべりたい。それは他の時間帯のラジオかもしれないし、ポッドキャストかもしれません。しゃべる仕事の魅力に取り憑(つ)かれてしまった感は、確実にありますね(笑)」

(ライター 中桐基善)

[日経エンタテインメント! 2021年11月号の記事を再構成]

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