スマホは半導体が競争の鍵に

21年後半にはハイエンドだけでなく、ミドル、ローエンドに至るまで、幅広いスマホ端末が5G対応となった。22年に登場するスマホは5G対応が当たり前となることは間違いない。

22年、端末メーカーの新たな競争軸となるのが半導体だ。21年は米Google(グーグル)が新機種「Pixel 6」シリーズに人工知能(AI)機能を強化した独自開発の半導体「Tensor(テンソル)」を搭載、高度な撮影や音声認識などを実現して話題となった。

ほかにもスマホに搭載する半導体を自社開発する大手メーカーが増えている。中国スマホ大手のOPPO(オッポ)は21年12月、高速なAI処理が可能な画像処理チップ「MariSilicon X(マリシリコンX)」を自社開発し、22年第1四半期に発表予定のフラッグシップモデル「Find X」シリーズに搭載予定であることを発表した。同社は汎用チップセットでは画質の差異化に限界があったカメラ機能を、独自開発の半導体で強化する。

中国OPPO(オッポ)はAI処理に力を入れた画像処理チップ「MariSilicon X」を独自開発し、22年第1四半期に発表する新機種に搭載予定だ

一方、21年に急拡大した2万円台のローエンドモデルも勢力を増しそうだ。政府がスマホ値引き規制を継続する上に、3G端末利用者を4G、5Gに移行させる「巻き取り」が22年も続くからだ。

現状、ローエンドモデルの主なターゲットはシニア層だが、ローエンドモデルの性能が向上していることもあって22年はこれまでミドルクラスのスマホを購入していた層を狙った機種も増えると考えられる。21年はハイエンドとローエンドの二極化が進んだスマホ市場だが、22年はその傾向がいっそう顕著になるだろう。

KDDIが2022年1月、auブランドで販売予定のシャープ製ローエンド端末「AQUOS wish」。単に低価格というだけでなく、再生プラスチックの採用など環境への配慮を打ち出している
佐野正弘
福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。