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徹夜明けのカフェイン「効く作業」と「効かない作業」

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NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ)

徹夜明けのカフェイン摂取には、視覚的な注意力を高める効果はあるものの、より複雑で難しい作業の能力の向上は期待できない――そんな実験結果が、米国で報告されました。

大学生を徹夜組と睡眠組に分け、翌朝カフェインを摂取

睡眠不足はさまざまな認知機能に悪影響を及ぼしますが、正確なメカニズムは分かっていません。仮説として有名なのは、注意力が散漫になるため、注意力を要する作業を正しく行えなくなる、というものです。確かに睡眠不足は、認知機能の中でも注意力を必要とする課題に一貫して悪影響を及ぼしますが、影響を受けないもの、影響が少ないものもあることは指摘されていました。

今回、米ピッツバーグ大学などの研究者たちは、「睡眠不足は、視覚的な注意力と、より複雑で難しい作業を行う能力の両方に悪影響を及ぼす」「カフェインは、それら両方に好ましい影響を及ぼす」と仮定して、実験を行うことにしました。

対象としたのは、ミシガン州立大学の学生です。日常的に、カフェインを適度に(1日400mgまで)摂取しており、心臓病ではなく、記憶障害や睡眠障害と診断されたことがない学生を選びました。

実験は2日にわたって行いました。前日は6時間以上眠り、当日は9時までに起床して、昼寝はしないよう指示しました。また、カフェイン、アルコールなどの摂取は前日の夕方から禁止しました。

実験1日目の夕方、実験室に集合した学生を対象に、視覚的注意力を評価する精神運動覚醒検査(PVT)と、手続き記憶の能力を必要とするUNRAVELタスクという2種類の認知能力検査を行いました。

精神運動覚醒検査(PVT)
視覚的注意力を評価する検査。コンピュータの液晶モニターに赤い丸が表示されたら、できるだけ早くマウスをクリックする。すると、その回の反応時間が0.5秒間表示される。赤い丸は1秒から10秒のランダムな間隔で表示される。この作業を10分間継続し、反応時間を評価する。

UNRAVELタスク
手続き記憶の能力を評価する検査。ソフトウエアを用いて、7項目からなる質問に順序正しく回答していく。終わったら最初に戻って、また、7項目実施する。繰り返していると、途中で全く異なる書き写し課題が挿入される。これを終えたら、中断前にやっていた項目に戻ってそこから続きの課題に取り組む。中断後に元の位置に正確に戻って再開できるか、また、中断なしに行っている作業において、7段階のどれかを抜かさずに順序正しく行えるかを調べて、エラー率を比較する。35分間かけて実施。

これらを完了した時点で、学生をランダムに、「実験室で徹夜するグループ」と「帰宅して睡眠をとるグループ」のいずれかに割り付けました。徹夜に割り付けられた学生は、読書をする、宿題をする、TVや映画を見る、ボードゲームやカードゲームをする、などの活動を朝まで行いました。

徹夜組は朝のテスト結果が悪化、カフェインはPVTには効果

翌朝、自宅に帰っていた参加者が集合したところで、カフェイン200mg(マグカップ2杯のコーヒーに含まれる量にほぼ相当)の入ったカプセル、または、プラセボ(偽薬)のカプセルを摂取させました。カフェインの吸収を待って、摂取から30分後に、前夜と同じ2通りのテストを開始しました。

分析に必要なデータがそろっていたのは、18~26歳(平均年齢19歳)の276人で、内訳は「睡眠+プラセボ摂取」が61人、「睡眠+カフェイン摂取」が68人、「徹夜+プラセボ摂取」が77人、「徹夜+カフェイン摂取」が70人でした。

徹夜組の朝の成績は、2通りのテストの両方で、睡眠組に比べ悪化していました。カフェインの摂取は、視覚的注意力を評価するPVTの反応時間を有意に短縮していましたが、UNRAVELタスクのエラー率には、有意な影響を及ぼしていませんでした。

睡眠組では、これらのテストに対するカフェインの影響はほとんど見られませんでした。PVTの結果にはいくぶん好ましい影響が見られましたが、統計学的には有意な差ではありませんでした。UNRAVELのエラー率には、影響は全く認められませんでした。

今回の実験では、カフェインは一時的に眠気を覚まし、活力を高め、気分を良くはするものの、一晩の睡眠の代わりにはならず、より難しい課題に取り組む能力には好ましい影響は見られないことが示されました。

論文は、2021年5月20日付のJ Exp Psychol Learn Mem Cogn誌電子版に掲載されています[注1]

[注1]Stepan ME, et al. J Exp Psychol Learn Mem Cogn. 2021 May 20.

[日経Gooday2021年10月5日付記事を再構成]

大西淳子
医学ジャーナリスト。筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

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