徹夜組は朝のテスト結果が悪化、カフェインはPVTには効果

翌朝、自宅に帰っていた参加者が集合したところで、カフェイン200mg(マグカップ2杯のコーヒーに含まれる量にほぼ相当)の入ったカプセル、または、プラセボ(偽薬)のカプセルを摂取させました。カフェインの吸収を待って、摂取から30分後に、前夜と同じ2通りのテストを開始しました。

分析に必要なデータがそろっていたのは、18~26歳(平均年齢19歳)の276人で、内訳は「睡眠+プラセボ摂取」が61人、「睡眠+カフェイン摂取」が68人、「徹夜+プラセボ摂取」が77人、「徹夜+カフェイン摂取」が70人でした。

徹夜組の朝の成績は、2通りのテストの両方で、睡眠組に比べ悪化していました。カフェインの摂取は、視覚的注意力を評価するPVTの反応時間を有意に短縮していましたが、UNRAVELタスクのエラー率には、有意な影響を及ぼしていませんでした。

睡眠組では、これらのテストに対するカフェインの影響はほとんど見られませんでした。PVTの結果にはいくぶん好ましい影響が見られましたが、統計学的には有意な差ではありませんでした。UNRAVELのエラー率には、影響は全く認められませんでした。

今回の実験では、カフェインは一時的に眠気を覚まし、活力を高め、気分を良くはするものの、一晩の睡眠の代わりにはならず、より難しい課題に取り組む能力には好ましい影響は見られないことが示されました。

論文は、2021年5月20日付のJ Exp Psychol Learn Mem Cogn誌電子版に掲載されています[注1]

[注1]Stepan ME, et al. J Exp Psychol Learn Mem Cogn. 2021 May 20.

[日経Gooday2021年10月5日付記事を再構成]

大西淳子
医学ジャーナリスト。筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

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