日経クロステック

コロナ禍に見舞われて早2年。テレワークへの移行など、コロナ禍での働き方が出来上がってきて仕事面は安定し始めた人も多いと考えられます。これに比べると、プライベートはまだ満足できる状態にはなっていないようです。したいことに制限がかかり、活動しにくい日々が続いているのではないかと推測されます。

目標達成が充実感につながる

研修やカウンセリングでも「仕事とプライベートの両方を充実させるにはどうすればよいか」という質問をよく受けます。筆者は「まず、達成したいことを明確にすべし」と答えています。

「週末にとにかくダラダラと過ごす」ことが目標でもいいのです(写真はイメージ)=PIXTA

多くの場合、人が充実感を覚えるのは「自分の中にある何らかの目標が少しでも達成されたとき」だと思います。仕事では上司などから目標を与えられることもありますが、それを達成したとき以外も充実感を覚えるシーンはあるのではないでしょうか。ご自身を振り返って考えてみてください。

年収アップや昇進は代表例ですし、チームのメンバーとの一体感が高まった、部下や後輩が順調に成長したといったことも考えられます。普段から特別に意識しているわけでなく、人事評価の目標設定シートにも書いていないようなことが充実感につながっていることに気づくかもしれません。

このように「何が満たされれば達成感を得られるのか」「自分は職場に何を求めているのか」を明確に意識しておくと、それらが得られたとき充実感をより実感できるようになります。具体的成果とひも付ける必要はなく、自己評価や自己満足で十分です。

同じことがプライベートにも当てはまります。「いやいや、プライベートでも目標設定なんて窮屈でたまらない」という人もいるでしょう。しかし、意識しているかどうかで大きな違いがあります。

プライベートなことに使える時間、言い換えれば自分で自由に目標設定ができる時間は、週に2日程度でしょう。時間が限られているからこそ、この間に「やりきった」と思える何かがないと充実感を得るのは難しいと思います。

「週末にとにかくダラダラと過ごす」ことが目標でもいいのです。「早起きしてスポーツでもしよう」とぼんやり考えながら二度寝してしまった週末と、「とにかくダラダラする」と目標を立ててその通りに二度寝三度寝した週末では、達成感は大きく違うはずです。

したいことがありすぎて目標を立てられないという人もいるかもしれません。その場合は、まず優先順位を付けることをお勧めします。これによって取り組む順番を決められるからです。それによって直近の休日の目的ができ、それに少しでも取り組むことで充実感を得やすくなります。

今は仕事だけに打ち込みたい、とにかくプライベートを大事にしたいといった時期もあると思います。それはそれで構いません。「今は仕事(またはプライベート)を優先する」ことを目標にして、それを達成すれば充実感が得られるはずです。

天笠 淳(あまがさ・あつし)
アネックス代表取締役/人事コンサルタント
早稲田大学商学部卒業後、IT企業、金融機関にて人事業務を経験。株式会社アネックス、一般社団法人次世代人材育成機構の代表として、働きやすい職場づくりを主なテーマとし、企業の人事、人材開発のコンサルタントを行っている。次世代人材育成機構では、代表理事として、学生の就職活動へのアドバイスや、社会人のキャリア支援を20年以上手掛けている。著書に『転職エバンジェリストの技術系成功メソッド』『オンライン講座を頼まれた時に読む本』(いずれも日経BP発行)がある。

[日経 xTECH 2022年1月20日付の記事を再構成]