Windows 11時代 徹底検証!パソコン選び10のポイント
2021年秋冬モデル 最新パソコン一挙紹介(1)
自分が使っているパソコンはもう時代遅れかも――。そんな思いを抱いている人は、この際買い替えを検討してみてはいかがだろうか。折しもWindows 11の提供開始に合わせ、11を搭載したパソコンが多くのメーカーから続々と発売されている。
そこで日経PC21編集部は、11メーカー45製品の最新モデルを徹底調査。メーカー別に各製品の特徴を紹介していく。冬のボーナスでパソコンの購入、買い替えを検討している人は、ぜひ自分にぴったりの1台を見つけてほしい。
多様化するパソコンのカテゴリー
11搭載の新製品を紹介する前に、どんな点に注目して自分に合った1台を選べばよいのか、その勘所を解説しよう。ポイントは10個ある。
まず押さえておきたいのは、大まかなカテゴリーだ。今回は大きく5つに分類した(図1)。ディスプレーに15.6型や16型液晶を採用した「スタンダードノート」、17型以上にサイズを広げた「大画面ノート」、持ち運び重視の「モバイルノート」、ノートとタブレットの1台2役で使える「2in1」、そして「デスクトップ」だ。
細かく見ると、モバイルの中にも重さが1キロを切る軽量モデルと、自宅内で手軽に持ち運べる14型ノート(ホームモバイルと呼ばれる)があるし、デスクトップでも液晶ディスプレーにパソコン本体を組み込んだ一体型と、それぞれを離して置く分離型がある。
パソコンのカテゴリーは、以前に比べると利用シーンに合わせて多様化している。購入時には自分の利用シーンを考慮し、最適なパソコンを選ぶことが大切だ。
主要性能と推奨スペックを確認
大まかなカテゴリーを理解したら、次は最新のトレンドを把握しよう。1つめは最新のOS(基本ソフト)とオフィスソフトの登場だ(図2)。前述の通り、10月5日に正式公開された11を搭載した機種が続々と登場し、さらに最新のOffice 2021をプリインストールしたモデルも増えている。今すぐ、最新のOSとオフィスを利用できる状況になった。
CPUの世代をチェックしよう
2つめはCPU(中央演算処理装置)。インテルのCore i(コアアイ)シリーズは第11世代、AMDのRyzen(ライゼン)シリーズは第4世代が最新だ(図3)。Core i系を中心に処理性能を計測したところ、1つ前の世代のCPUより格段に性能が向上している(図4)。
Ryzenについても同様だ。昨今、Ryzenはその性能の高さが評価され、搭載モデルが増えている(図5)。
ストレージはPCIe接続のSSDが主流に
3つめはストレージ。こちらはPCIe接続のSSD(ソリッドステートドライブ)が主流。接続規格は複数あるが、どれでも従来のHDD(ハードディスクドライブ)よりはるかに高速だ(図6、図7)。大容量のHDDを確保したい場合は、SSDとHDDを両方搭載したモデルを選ぶのがお勧めだ。
メモリーは16GBが安心
4つめはメモリー。こちらはDDR4規格が一般的(図8)。データ転送速度はモジュール規格などによって変わるが体感するほどの違いはなく、むしろ容量のほうが重要だ。8ギガバイト(ギガは10億、GB)のメモリー容量は必須で、ビデオ会議など負荷の大きい作業が多いなら16GBにしておくと安心だ。
狭額縁化の進行で本体サイズはひと回り小さく
5つめはディスプレーの画面サイズ。カテゴリーによってまちまちだが、どのサイズでも共通してディスプレー周辺のフチが狭い「狭額縁化」が進んでいる。これにより、画面サイズを据え置いたまま、従来よりひと回り小さな本体サイズを実現できるようになった(図9)。従来型より縦を少し伸ばした16対10仕様も増えている(図10)。
光学ドライブ搭載機は大きく減少
6つめは光学ドライブ。種類はDVDかBlu-ray(BD)の2択になるが、搭載機は以前よりも大幅に減った。今選べるのは国内ブランドのスタンダードノートくらいだ(図11)。そうしたメーカーでも光学ドライブを搭載しないモデルを増やしている(図12)。光学ドライブが必須という人にとっては、今や選択肢が限られている。
USBの規格も確認を怠りなく
7つめはインターフェース。現在、USBの最新規格はUSB4/Thunderbolt 4だが、搭載機はまだ少ない。多いのは、USB 3.2のタイプCとタイプAの端子を両方用意した機種だ(図13)。
「手書き入力」を搭載しているかどうか
このほか2in1が増えたことで手書き入力しやすいモデルも登場した。これが8つめのポイントだ。専用のペンを使えば、PDF文書などに手書きで入力できる(図14)。2in1には、ディスプレーが着脱するデタッチャブル型と、1回転するコンバーチブル型の2種類ある。タブレットとして使いやすいのは前者、文字入力もしっかりするなら後者がお薦めだ。
Wi-Fiは最新規格の「6」が標準に
9つめのポイントはWi-Fi。Wi-Fiは最新規格の「Wi-Fi 6(11ax)」が標準になった(図15上)。ただし、モデルによって最大通信速度に差がある。スペック表などでしっかり確認しよう(図15下)。
生体認証は「顔」と「指紋」の2種類
最後のポイントは生体認証。生体認証には、顔認証と指紋認証の2種類がある。搭載しないモデルもあるが、ウィンドウズのサインインなどにも使えるので、搭載機を選んでおくと何かと便利だ(図16)。
この秋冬にWindows11搭載の最新パソコンを購入するなら、確実に押さえておきたいスペックを示した。6項目あるが、特に最新世代のCPU、8GB以上のメモリー、256GB以上のSSD(PCIe)の3項目は必須と考えるとよいだろう。
※できれば4コアのCore i3-1125G4以上
(ライター 原如宏)
[日経PC21 2021年12月号掲載記事を再構成]
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