2021/11/8

さらにいくつかの計算を行った研究チームは、木星ほどの質量の惑星と太陽の約半分の質量をもつ白色矮星からなる惑星系であるという結論に達した。この惑星の公転軌道の大きさは地球の公転軌道の2.8倍以上あり、太陽系の小惑星帯とほぼ同じ位置にあるという。

「ここは巨大惑星が形成されると予想される場所です」とガウディ氏は言う。「太陽に似た恒星の進化の過程で、木星型の惑星は生き残れることが示されています」

この巨大惑星は、恒星の進化による致命的な結果を避けるのに最適な場所で成長し、生き延びていたのだ。どの場所が最適となるかは、死にゆく主星だけでなく、惑星自体の特徴や、ほかの惑星の動きにも左右される。

白色矮星の周りを回る惑星をさらに探す

これまでにも、白色矮星の周りを回る惑星の証拠は見つかっていたが、今回のようなものはなかった。19年には、国際的な天文学者チームが白色矮星の周りにガス状のデブリ(岩石や氷の破片)の環を発見している。これは砕け散った天体の成れの果てで、地球も同様の運命をたどると予想されている。ほかにもいくつかのデブリ円盤が確認されていて、これらも不運な惑星や小惑星の破片ではないかと考えられている。

昨年、NASAの系外惑星探索衛星TESSを用いた別の研究チームは、白色矮星の周りをわずか34時間で公転する惑星候補(巨大惑星)を発見した。この惑星は主星に非常に近いため、「主星が赤色巨星だった時期に同じ軌道にあったら、間違いなくのみ込まれていたはずです」とベッカー氏は言う。「つまり、主星が白色矮星になった後に、外側の軌道からこの軌道に移動してきたのです」

今回発見された惑星系や、これらの観測結果は、惑星の中には、主星の進化プロセスを(少なくとも一時的には)生き延びるものがあることを示している。しかし、惑星が生き残るのか、それとも破滅を迎えるのかを決定するプロセスは、まだ曖昧だ。

20年代半ばに打ち上げが予定されているNASAのナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡は、白色矮星の周りを回る惑星を数多く発見することができるだろう。また、白色矮星の周りを回る惑星の発見数が増えれば、主星の死によって惑星系の構造がどのように変化するかが明らかになり、私たちの太陽系の未来を見通せるようになるだろう。

ベネット氏は、今回発見された惑星系には、ほかの惑星もあるかもしれないと言う。地球は太陽の劇的な死を生き延びることはできないかもしれないが、もしかすると、ほかの惑星は生き延びて、太陽系は生まれ変わるかもしれない。

(文 NADIA DRAKE、訳 三枝小夜子、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2021年10月15日付]