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Z世代狙い原宿にフルーツオレ店 スマホで選んで注文

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日経クロストレンド

東京・原宿に、Z世代をターゲットにしたフルーツオレ専門店「The Label Fruit(ラベルフルーツ)」がオープンした。特徴は店頭で商品を販売しないこと。スマホから事前に注文を受け付け、店舗は商品を渡すだけの場所となる。スマホからの顧客の購買履歴やAIカメラを使った店内での動向データを分析し、店舗運営に生かす。

店舗での飲食はNGだが、撮影はOK

フルーツオレ専門店「The Label Fruit」は、モバイルオーダーサービスを展開するShowcase Gig(ショーケース・ギグ、東京・港)と、コインロッカーや通貨幣処理機などを製造・販売するグローリーが、2021年12月15日に共同で立ち上げた店舗だ。両社は21年1月に資本業務提携を行い、今回の出店が実現した。

The Label Fruitは、事前にモバイルオーダーで注文しないと、店舗で商品を受け取れない、「BOPIS(バイ・オンライン・ピックアップ・イン・ストア)」形態の飲食店だ。出来上がりの商品は店頭に設置したロッカーを介して渡すため、完全に非接触で受け渡しができる。店舗はバックヤードで商品を作るスタッフのみで運営されており、販売スタッフはいない。

ショーケース・ギグが事前注文を受け付けるプラットフォームを、グローリーが店頭で受け渡すロッカーを提供し、BOPISのシステムが実現した。

事前注文から店頭での受け取りまで、客側の一連の流れは簡単だ。まず来店前に、インスタグラムかグーグルマップに表示される店舗のプロフィル画面から、商品の購入ページにアクセスする。商品を選択し、受け取り時間やクレジットカード情報などを設定。注文が完了すると、店舗から商品を受け取る際に必要な2次元コード(QRコード)がメールで送られてくる。あとは指定の時間に来店して、店内のロッカーにQRコードを読み込ませ、商品を受け取る。

フルーツオレは、味がストロベリーやメロンなど5種類、下地となるミルクが豆乳など3種類から選べる。さらに、ナタデココや杏仁(あんにん)豆腐などのトッピングが選べ、甘さの度合いも調整可能だ。価格は味やトッピングによって異なるが、税込みで1000円前後だ。果肉やトッピングの杏仁豆腐の具材が多く、飲むというよりは食べている感覚に近い。

商品のラベルもカスタマイズできる。色は12種類、デザインを8種類以上そろえ、10文字以内(アルファベット・数字・記号)で名前も記入できる。

ショーケース・ギグ広報室マネージャーの高堂和芽氏は、「商品をアレンジできる機能は、Z世代の女性に人気だ」と語る。

「Z世代はスマホ起点で、あらゆる物事を完結させるのに慣れているので、自分だけの一点モノや、カスタマイズする体験を求めている。そこで、購入体験をより楽しんでもらえるよう、バリエーションの選択肢を増やした。ラベルの色や種類が豊富で、商品自体も色鮮やかなので、推し活やSNS(交流サイト)映えの効果も期待できる」(高堂氏)

商品をカスタマイズできるだけでなく、受け取り場所となる店内からも、体験価値を感じてもらえる仕掛けを施す。ロッカーの扉はモニターになっており、内部からデジタル映像を流せる。商品の人気ランキングや、受け取り時にラベルに記入した名前、デザインしたボトルのバーチャル映像を映す。

イートインはできないが、撮影スポットとして店内を利用できる。壁には撮影時に役立つ鏡を貼ったり、若年層に人気のネオンサインで飾った。顧客によるSNSへの投稿を誘引し、来店動機やリピーターを生み出す狙いだ。

BOPISソリューションをSaaS化へ

両社が店舗での体験価値を重視する理由は、他にもある。グローリーにとっては、The Label Fruitは「店舗運営の最適化を検証していく場」と同社アライアンスビジネス企画部部長の笠原拓氏は語る。

「2年前から、弊社ではデータを生かしたビジネスに注力している。The Label Fruitの店内にも、AIカメラやAIビーコンを数台設置して、ユーザーの購買行動を分析していく。そこから混雑する時間帯や需要を推測し、スタッフの適切な配備や需要予測を行い、店舗運営を最適化していく」(笠原氏)

活用の道は、無駄がない店舗運営だけではない。店内のプロジェクターからコンテンツを流し、若年層を中心としたユーザーが、どのようなコンテンツや店内の仕掛けに反応を示すかも分析する。AIカメラの映像から「どのようなユーザーが、店内のどの場所で、どれほど滞在したか」を調査することで、ユーザーの趣味趣向をくみ取り、より顧客満足度の高い店舗づくりを行う。

一方ショーケース・ギグは、モバイルオーダープラットフォームの注文履歴から顧客の購買データが取れる。両社は異なるアプローチながら、ともにThe Label Fruitを通じて販売に関するデータを取得し、自社のサービスに生かしたい考えだ。

実はここに両社が21年1月に資本業務提携した経緯も見えてくる。実店舗でユーザーの動向を分析するグローリーと、スマホから顧客の購買データを分析するショーケース・ギグ。それぞれのデータを掛け合わせ、OMO(オンラインとオフラインの融合)のノウハウを培っていくのが協業の目的だ。

「グローリーはBtoB(企業間取引)のビジネスをメインとしており、ショーケース・ギグと共創することで、BtoC(消費者対象取引)の領域を強化できる。省人化と省力化を進めながら、顧客体験の向上を狙いつつ、データを活用してサービスのレベルを上げていく」(笠原氏)

The Label Fruitを皮切りに、両社は今後も協業を続けていく。現段階での構想は大きく2つ。1つは、ファストフードなどの別業態や他のエリアでも、BOPISのシステムを取り入れた店舗を展開すること。もう1つは、BOPISでの店舗運営方法をパッケージ化して外販提供することだ。

「BOPISソリューションにおいて、SaaS(サービスとしてのソフトウエア)として提供する例は恐らく日本ではまだないのではないか。サブスクリプション(定額課金)型のモデルにすることで、飲食店は初期費用を抑えて、効率化された店舗を運営できる。今後は、ショーケース・ギグと共同で利用する飲食店に導入していけたら」と笠原氏。

新型コロナウイルス禍で、「無人ロッカーやキオスク端末(小型情報端末・図書館の蔵書検索や、コンビニでのチケット発行機などのこと)を導入したい」という飲食店が増えたことも追い風とみる。

The Label FruitはBtoCの業態だが、運営元の両社はBtoB事業の展開も見据える。Z世代の女子をメインターゲットにした、カラフルでポップな見た目のフルーツオレ専門店が、新しい飲食店のあり方を浸透させるかもしれない。

(ライター 佐藤隼秀、写真提供 Showcase Gig)

[日経クロストレンド 2022年1月11日の記事を再構成]

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