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ジンズ初のサブスクリプション

本体価格は1万9800円だ。従来モデルは発売当初4万2120円(消費税8%込み)だったので、その半額以下に抑えた形だ。その代わり、アプリの使用料を2年目以降は月額500円か年額5000円(ともに税込み)としている。1年目は無料なので、1年間使用してみて気に入った場合だけ課金して継続使用すればよい。

ジンズ初のサブスクリプションサービスにしたのは、顧客との継続的な関係を重視しているためだ。

「JINS MEMEはお客様とずっとつながり続けるためのもの。つながり続け、データを集め、そのデータを解析してお客様に個別最適化ができれば、よりよいサービスを提供できる。そのためにはサブスクリプションが適している」(田中氏)という。

ターゲットは「いろいろな人に使ってほしいが、最初はこういったギアが好きな人が中心になるのでは」(田中氏)とみている。見た目が自然であることや、セルフマネジメントができるサービスの価値を訴求して、そこから顧客層を広げていきたい考えだ。

今後は、JINS MEMEを心身の可視化以外の様々な用途に展開していく。発表会では新規事業などを開発するプロジェクト「JINS MEME LAB」を発表した。第1弾として、カメラによるモーションキャプチャーを使わずに、JINS MEME着用者の動きをアバター(分身)に反映させた動画を作れるiOS向けアプリ「VTUNER」を21年11月にリリースする。第2弾としてJINS MEMEで頭の動きやまばたきを取得して、それらを使ってスマホやパソコンなどをコントロールするプロジェクト「JINS MEME CONTROLLER」も発表した。海外展開としては、中国で受験を控えた子供向けに、集中力や姿勢などの測定ができる子供用サイズのJINS MEMEを使ったサービスを開始する。

「JINS MEMEには様々な用途が考えられる。例えばスマホを手で触れない人が世界中に大勢いる。そうした人たちがJINS MEMEを使って視線による操作でアプリを動かし、自分を表現したり、動画配信サービスを楽しんだりできるようになれば、それは大きな価値につながる」(田中氏)と語る。眼鏡を販売するだけの会社から、サービスも提供する新しい会社に変化していきたいという。その一歩となるか。

(フリーライター 湯浅英夫、写真 スタジオキャスパー、湯浅英夫)

[日経クロストレンド 2021年10月13日の記事を再構成]

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