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映画『そして、バトンは渡された』 涙で心を軽くして

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日経エンタテインメント!

血のつながらない親の間をリレーされ、4回も名字が変わった優子は、優しく料理上手な義父「森宮さん」と2人で暮らしている。一方、自由奔放に生きる梨花は、娘・みぃたんに精いっぱい愛情を注ぐが、ある日突然、娘を残して行方知れずに。全く違う2つの物語がつながったとき、"命をかけた嘘"と"知ってはいけない秘密"の理由が明らかになる。興行収入11.4億円のヒットとなった『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』(2018年)の前田哲監督が、瀬尾まいこによる19年の本屋大賞受賞作を映画化した。

「僕にはエンターテインメントから遠い題材をあえてエンターテインメントにしたいという思いがあって、厳しい状況にある子どもに関する題材を探していたんです。そんなとき出合ったのが、『そして、バトンは渡された』。タイトルが秀逸だし、名前が4回も変わっても、明るい性格で幸せになっていく優子の話には希望がある。『人を信じていいんだよ』と、そっと背中に手を添えられるような魅力があると思いました」(前田監督、以下同)

映画化へ向けて動き出し、『バナナ』の脚本家・橋本裕志と脚本開発を行った。キャスティングでは、優子に永野芽郁、森宮さんに田中圭、梨花に石原さとみを起用。石原にとっては初の母親役だった。

「優子役に求めたのは、天真爛漫(らんまん)な明るさ。芯の強さや、秘めた思いを表現できる演技力も必要なので、永野さんはぴったりでした。森宮役に求めたのは、押し付けがましくないフレンドリーさ。田中さんは絶妙に優子との距離を取ってくれました。梨花役に求めたのは、奔放さと母性。ただ、石原さんの"母性"は未知数だったので、みぃたん役の稲垣来泉ちゃんと1日遊んでもらったんです。広い会議室で僕も含めて鬼ごっこをしたり、絵を描いたりながら、親子の関係性を築いてくれました」

苦労したのは、コロナ禍での撮影。「僕はいつも役者さんには現場にいてもらい、セッティング待ちの間もその役が住む部屋で過ごしてもらうんです。でも今回は、現場が密になるので、できなかった。そんな逆境を、キャスト陣が共演者とコミュニケーションを取ることでカバーしてくれました」。演出で力を入れたのは、巧妙に仕掛けられた「ギミック」の表現だ。

「パズルのピースがはまっていくような、斬新で計算された構成の脚本。サスペンス映画のような精緻な演出が必要でした。観客が『何で、あんな顔をしたんだろう』と気になるフックを作って、もう一度見たときに『そういうことだったのか!』と納得してもらえるよう、表現を調整していきました」

また、「主人公・優子の物語として帰結させたい」と、小説とは異なるラストに挑戦。それらが奏功し、原作よりドラマチックで、何度も涙があふれる感動作になった。俳優陣の好演や、前田監督特有のユーモアも見どころだ。

「コロナ禍で、みなさん寂しく、窮屈な思いをされていると思うんです。だからこそ、心にたまったオリを、涙とともに流してもらえたら。目指したのは、ハッピーな気持ちになれる、幸せな涙です」

10月30日には、もう1本の新作『老後の資金がありません!』が公開。勢いに乗っているが、前田監督自身は、誰から、どんなバトンを受け継いで今に至るのか。

「僕は助監督出身。伊丹十三監督には『田舎のおばあちゃんが見ても分かる映画を』と教わりました。俳優に気持ちよく演じてもらう演出は滝田洋二郎監督に、器用に小さくまとめない姿勢は、相米慎二監督に学んだと思います。映画が撮れない時期もありましたが、運と縁のおかげで今がある。これからも『心が軽くなったよ』と多くの方に言ってもらえるエンターテインメントを撮っていきたいです」

前田哲
 伊丹十三、阪本順治、崔洋一、黒沢清、周防正行らの助監督を務めた後、98年に相米慎二監督のオムニバス映画『ポッキー坂恋物語 かわいいひと』で監督デビュー。文中以外の監督作に、『パコダテ人』(02年)、『陽気なギャングが地球を回す』(06年)、『ブタがいた教室』(08年)などがある。

(ライター 泊貴洋)

[日経エンタテインメント! 2021年11月号の記事を再構成]

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