日経PC21

ウェブカメラは取り外し可能

付属のスタンドの使い勝手も良い。高さやチルトなどの調整ができ、見やすい位置に調節しやすい。また、画面を回転して縦向きの配置もできるので、設置の自由度は高い(図6)。

図6 最大130ミリの高さ調節と最大24度のチルト調節ができるスタンドが付属しており、自分の好みに応じて画面位置を選びやすい。ただし、縦にした場合、ウェブカメラの撮影の向きが追従されないためこの状態ではウェブカメラを使いにくい

スタンドの土台が小さいので、机の上に設置しても邪魔にならない。下部に配置された各種ボタンはかなり高い位置にあるので、いちいち下からのぞきこんで押す必要がない。設定画面も大きくはっきりとした文字で表示されるので見やすい(図7)。

図7 画面の切り替えや各種設定は、右側底面のボタンで操作する。ボタンは4ミリ程度も突起しており、見なくても押しやすい。初期の設定画面は英語だが、日本語表示も可能。文字が大きくて読みやすい

付属のウェブカメラは、ディスプレー上部に設置されている。ビデオ会議中は見上げるような視線になるため、自然な表情で映りやすい(図8)。設置した状態でレンズの向きを左右に動かせるので、ディスプレー正面以外も映しやすい。上下はほとんど動かないが、ディスプレー正面を映す用途であれば、問題ないだろう(図9)。

図8 本体上部にUSB端子を備えており、付属のウェブカメラを取り付けられる。ウェブカメラにはマイクも搭載しており、集音も可能だ
図9 ウェブカメラは左右に動くので、画面正面にいる人以外も映しやすい。チルト調整機能も備えるが、10度(実測値)程度しか動かず、こちらは調節しにくい

フルHDの解像度で撮影できるのもメリットだ。一般的なパソコンが搭載する720ピクセルのウェブカメラより、高精細で撮影できていた(図10)。ウェブカメラにはマイクも搭載しており、集音できる。マイクの音質は雑音がほとんど入っておらず良いが、周囲にいる人の声も拾いやすいのが少し気になった。家族など複数でディスプレーを囲むような使い方に適している。

図10 筆者のノートパソコンのウェブカメラと画質を比較した。画質は高精細で、細部の輪郭や暗部をはっきりと描写していた

なお、このウェブカメラはUSB接続で、取り外しも可能。延長ケーブルを用意し固定方法を工夫すれば、このディスプレー以外でも利用できる。また、ディスプレー上部のUSB端子は、カメラの接続以外の用途でも利用でき、USBメモリーを挿して使うと便利と感じた(図11)。

図11 ウェブカメラは簡単に取り外せる。使わないときに外しておけば、セキュリティーを高められる。また、ウェブカメラを取り外した状態であれば、上部のUSB端子にUSBメモリーなどを接続できるので便利だ

フルHD対応のウェブカメラは、一般に6000円程度はする。それを考慮すれば、23.8型のディスプレーがウェブカメラ付きで2万9800円は、安いと感じる。映像入力端子も多く、使い勝手は良さそうだ。

(ライター 田代祥吾)

[日経PC21 2022年5月号掲載記事を再構成]