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リモコンのデザイン変更などでアンドロイドTVは使いやすい

画質以外に優れていたのがスピーカーの音質だ。安価なテレビでは、画面の下端にだけスピーカーを搭載するケースが多いが、その場合は大型画面では映像と音声のずれを感じやすい。4T-C65DP1は画面の上下に合計11個ものスピーカーを搭載しており、65型の画面サイズでありながら、映像と音の一体感に優れる。

音圧のあるスピーカー。上から音を回り込ませるスピーカー(上)。下にもスピーカーとツィーターを配置(下)

機能面では、ネット動画対応が進んでいる点も評価したい。グーグルの「アンドロイドTV」搭載で、ユーチューブ、ネットフリックス、アマゾン・プライム・ビデオなどの主要動画配信サービスは導入済み。リモコンに動画配信サービス用ボタンを7個も設けているのも異例だ。

動画配信サービスのボタンを7つ搭載

「番組を見るときは、多くのアプリからマウスや指で選ぶような使い方をしないので、動画配信もダイレクトに起動できるようにした。おかげで、私の4歳の娘もリモコンからならユーチューブを起動できている」(上杉氏)

テレビ内蔵アプリは、操作のレスポンスが良く、動画の選択もスムーズにできた。もう1つ、使って実感したのは、「グーグルアシスタント」による音声操作の便利さだ。4T-C65DP1は、リモコンのボタンを押さなくても「OKグーグル、ユーチューブを開いて」などと声をかけるだけで操作できる上位機種用の仕様になっている。電源がオフの状態から、音声だけでテレビをつけることも可能だ。

アンドロイドTVが使いやすい。ハンズフリーのグーグルアシスタントに対応(下)

この他、シャープの独自機能で、同社の家電製品を管理できる「COCORO HOME」アプリもプリインストールされている。エアコンや空気清浄機の動作モードや、調理家電の完成予定時刻が見られるのは便利そうだ。

シャープ製家電の管理が可能。エアコンや調理家電を登録

なお、地上デジタルや4K BSなどのテレビ放送を視聴する際の番組表などの操作画面は、アンドロイドTVとは別で立ち上がる。こちらも操作レスポンスは良く、快適に利用できた。

有機ELの上位機よりは高価 割安感が強いのは8K大画面

AQUOS XLEDは、従来の液晶テレビよりは圧倒的に高画質で、明るさも有機ELをはるかに上回っていた。ただ、比べてみると視野角など有機ELテレビのアドバンテージもいくつかあった。シャープにも有機ELテレビの「AQUOS OLED」シリーズがあるが、どちらが上なのか。

「シャープの社内でも担当者によって好みに違いがある。映画が本当に大好きで、専用の部屋を作っているような社員は有機ELを選んでいる。しかし、スタンダードにテレビを見るライトユーザーは、AQUOS XLEDを選んでもらえれば間違いない」(上杉氏)

AQUOS XLEDは記事執筆の21年12月時点で発売直後だったため、65型では実勢価格44万円と、同社の有機EL上位機で21年5月発売の「4T-C65DS1」(同35万6370円)よりも高価だ。従来型液晶の「4T-C65DN1」(同17万8880円)はさらに安い。個人的には、最新の有機ELよりも安く買えるようになったら、AQUOS XLEDを選びたいと考える。

なお、大画面になるほど、有機ELよりもミニLEDテレビが安くなる。例えば8K(7680×4320ドット)で75型の「8T-C75DX1」は実勢価格82万5000円だが、このクラスの8K有機ELは200万円以上する。高画質の超大画面を狙っていた人には間違いなく買い得といえそうだ。

新方式でも薄さは維持。スタンドを除くとスピーカーを含めて厚さ7.2センチメートル(上)。端子も豊富(下)

(オーディオ・ビジュアルライター 折原一也、写真 髙山透)

[日経トレンディ 2022年2月号の記事を再構成]

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