USBタイプCは万能端子
第11世代CPUを搭載するパソコンを中心に、USB4/サンダーボルト4を備えるパソコンが徐々に増えてきた。USB4はサンダーボルト3の技術を統合して高速化した規格だ。端子はUSBタイプCを利用(図9)。
図9 USBにサンダーボルト3を組み込み、最大転送速度を40Gbpsに引き上げた。もちろん、従来のUSBとの互換性も保たれる。ただし、端子はUSBタイプCだけ。第11世代コアを搭載したパソコンを中心に採用する製品が増えている。写真は「ENVY 14-eb」(日本HP)の側面端子
USB4は速度によって2種類あるが、パッケージや端子、コネクターなどにアイコンが表記されていることが多い(図10)。利用するUSBケーブルも対応品が必要となる(図11)。
図10 USB4はUSB4 20GbpsとUSB4 40Gbpsの2種類。仕様書では、パッケージや端子、コネクターに上記のアイコンを表記することを推奨している
図11 USB4で通信するには、シールドを強化したUSB4対応ケーブルが必須となる。仕組みはサンダーボルト3対応ケーブルと同じなので、それでも代用できる。写真はエレコムの「USB4-CC5P08BK」(実売価格:4270円)サンダーボルト4は、サンダーボルトの最新規格。こちらもUSBタイプC端子を利用し、USB4端子としても利用できる。もともと、サンダーボルトはIEEE1394の後継として登場したが、サンダーボルト3からUSB端子に変わりUSBとの互換性を備えるようになった(図12)。
図12 サンダーボルト3から端子の形状をUSBタイプCと同一にしたので、USB端子としても利用できるようになった。最新のサンダーボルト4は、USB4の仕様に準拠するサンダーボルトの強みは、ディスプレーポートやPCIエクスプレスといった高速な信号を外部機器に送信できること。SSDや外部ディスプレー、外付けグラフィックスボックスの接続などに利用できる(図13)。
図13 最近は、ノートパソコンのサンダーボルト端子に接続できる外付け用グラフィックスボックスが販売されている。デスクトップ向けのグラフィックスボードをノートパソコンでも利用できるようにした製品。写真はその1例(Razerの「Core X Chroma」)USB4とサンダーボルト4はほぼ同じもの。サンダーボルト4とUSB4は、過去のサンダーボルトとの互換性の有無が異なる(図14)。USB4では、下位のサンダーボルトとの互換性をオプション扱いとしている。
図14 サンダーボルト4は過去のサンダーボルトとの互換性を必須としているUSBタイプC端子には、オプション機能として「オルタネートモード」が用意されている(図15)。これは、USB端子にUSB以外の信号を流す仕組み。パソコンに対応機器を挿すと、USB 3.0の信号線が別の信号線に切り替わる。HDMIやディスプレーポートなどの映像信号をUSB端子から出力できる(図16)。
図15 USBオルタネートモード(USBオルトモードともいう)は、USB端子にUSB以外の信号を送信する機能。ディスプレーポートやHDMIといった映像信号をUSB端子から出力できる。各種映像出力変換アダプターやサンダーボルトなどがこの機能を利用する
図16 図4で説明したCC1、CC2という接点で、オルタネートモードを使うことがコネクターから機器に伝達され、USB 3.0以降で使う信号線が別の信号線に切り替わる例えば、HDMI端子を備えたディスプレーをパソコンのUSB端子に接続する場合、オルタネートモード対応なら、USBタイプC端子をHDMI端子に変換する安価なアダプターを用意するだけで簡単に実現できる(図17)。
図17 USB端子につなぐディスプレーアダプターには、グラフィックスチップを搭載しUSB端子からHDMIなどの映像端子に変換するアダプターと、USBオルタネートモードを使って映像端子に変換するアダプターの2種類がある。前者のほうが高価