ちなみに、このチャートではシングル盤は対象外となっているが、世界的なシティポップブームの代表作となった竹内まりや「PLASTIC LOVE」のアナログ盤も発売4週間で累計1.8万枚と大きなヒットとなっている。85年に発売した際はアルバム『VARIETY』からのリカットということもありオリコン最高86位、売り上げも1万枚以下だった。それが今では、CDやストリーミング、ミュージックビデオの動画などで聴けようが、アナログで持っていたいという人が2万人近くいるということだ。

発売パターンも多様化

トップ20を見ると、新作(CD発売から数カ月遅れて発売されたものも含む)が6作、アーティストの旧作の初アナログ化が9作、そして元のアルバムを復刻したものが3作、さらにアナログ盤のために新たに編成したものが2作と、アナログ盤の発売のパターンも多種多様となっている。特に、新作や新編成が増え、そのセールスもスケールアップしていることもアナログ活況の要因と言えるだろう。

8位の藤井風は、昨年に続き約5千枚が発売され、いずれも数週間内に完売し、既に定価の数倍のプレミア価値がついている。ストリーミング全盛となり、CDやダウンロードが徐々に目減りしている中で、音質やビジュアルなど、パッケージならではの魅力が詰まっているアナログ盤が、今後どこまで伸びるかにも注目したい。

臼井孝
 1968年生まれ。理系人生から急転し、音楽マーケッターとして音楽市場分析のほか、各媒体でのヒット解説、ラジオ出演、配信サイトの選曲(プレイリスト【おとラボ】)を手がける。音楽を“聴く/聴かない”“買う/買わない”の境界を読み解くのが趣味。著書に「記録と記憶で読み解くJ-POPヒット列伝」(いそっぷ社)。渋谷のラジオにてレギュラー番組『渋谷のザ・ベストテン』放送中。 Twitter @t2umusic