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美容系TikTokクリエーター 紹介アイテムの売り切れも

書籍『TikTok ショート動画革命』(3)

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日経エンタテインメント!

もともと芸能事務所に所属し、舞台に出演するなど女優として活動をしていた、やみちゃん。20代半ばとなった2018年、チケットのノルマに苦しむ状況に疑問を持ったことから事務所を退所した。しかし、「有名になりたい」という夢を諦めきれず、同年6月にTikTokを始める。「最初に投稿したのは家族で砂丘に行った時の動画で、フォロワーは0人だったのに、いきなり1日で5万回も再生されました。例えば、YouTubeでフォロワー数が0人だったら全然見てもらえないと思うんですが、TikTokは引きのある内容であれば、フォロワー数に関係なく跳ねることがあるプラットフォームなんだと実感しました」(やみちゃん、以下同)

いきなり手応えを感じたものの、どんな動画がバズるのかが分かったわけではないため、しばらくは闇雲に様々なジャンルの動画を投稿。そんななか、YouTubeで流行っていたヘアスタイリング動画を投稿したところ、大きな反響があった。「いろんな動画を投稿しても、美容系の動画しかバズらなかったので、そこに絞ることにしました。人気者になるために、とにかく努力してはい上がろうと。人生をやり直す気持ちで動画投稿を続けました」

美容系動画を中心に投稿していき、半年で約18万人ものフォロワーを獲得。すると、大手広告会社から、美容系動画を投稿する業務を行うスタッフとして入社しないかと持ちかけられた。入社後は、1日2本の動画を投稿する毎日に。「昔、『めざましテレビ』でやっていた『早耳ムスメのトレンド一番のり!』というコーナーが、とにかく女の子が楽しめる内容で大好きだったんです。そのコーナーのように自分がときめく商品を紹介して、視聴者の方にワクワク感を毎日届けようと思ってやっていました」。結果、フォロワー数はさらに伸びていった。

視聴者の欲している情報を動画に

20年6月に広告会社を退社し、独り立ちするべく、今の事務所に所属。基本的に投稿するのは、美容系アイテムの魅力を伝える動画に一本化し、現マネジャーと共に、「美容系TikTokクリエイター・やみちゃん」としてのポジションを確立していった。

彼女の作る動画は、多くの点で他の美容系TikTokクリエイターとの差別化に成功している。まず、美容の知識と経験が豊富であるのはもちろんのこと、動画を作る際には、楽天やAmazonといったサイトで該当商品を検索し、ユーザーの口コミをチェック。視聴者が知りたがっていることを徹底的にリサーチした上で、それに答える情報なども取り入れていく。また、一般的にインフルエンサーは近寄りがたいイメージを持たれがちだが、美容に興味のない視聴者にも楽しんでもらえるよう、動画の構成や話し方を"崩すこと"によって、親しみやすさを感じるものに。さらに、美容系アイテムは専門的な用語や話も出がちだが、「こんなこと言われても分からないですよね」と自らツッコミを入れながら、中高生でも分かるよう丁寧に説明している。

これまでに550本以上の動画を投稿するなかで、バズりやすい傾向もいくつか見えてきた。「以前はTikTokなんだからと、音楽や動きなどを意識していました。ただ、自分の言葉でしっかりと説明したり、アフレコで声を入れたりすると再生回数が伸びたので、しゃべりの要素も今はかなり重要だと感じています。それに加えて、人間らしさみたいなものが伝わる内容にも反響がありますね。毎回毎回キッチリした動画だと見ているほうも疲れるのか、時にはBGMも付けずラフな話し方にしたり、変な間ができてしまったりしてもあえてそのまま残すこともあります。あとは、大きめのリアクションですね(笑)」

もちろん、商品自体に魅力があることはやはり重要で、最近ではどういった商品がバズるかも分かるようになってきたという。「例えば、皆さんがよく知っているブランドに『こんなアイテムがあったよ』みたいな動画は、再生回数が伸びる傾向にありますね。21年9月に無印良品のアイカラーを紹介した動画は1カ月くらいで600万再生を突破して、いろんな店舗で売り切れが続出したと聞きました」

美容系TikTokクリエイターとしての地位を確立し、フォロワー数も増加の一途をたどるなかで、企業からの広告動画の依頼も多く舞い込むようになり、これまでに50件以上をこなす。「お金をいただいているので、よりちゃんとしなきゃという思いは強くなりました。『やみちゃんさんの動画で商品が売れました』と言われるとやっぱりうれしいですし。"SNS界のジャパネットたかた"を目指そうという気持ちで今は頑張っています」

企業とのタイアップ動画を作る際には、事前準備を徹底的に行うのが、やみちゃんスタイルだ。商品だけでなく、クライアントや創業者の歴史まで調べた上で、様々な情報を入れ込んだ台本を自ら制作。さらに動画の完成形もイメージしてもらえるように"字コンテ"まで作って、クライアント側に提出するという。「台本はセリフはもちろんのこと、どんなテロップを入れるか、動画内でどんな動きをするかまで事細かく書き込んだものを作っています。字コンテに関しては、『さすがにここまではみんなできないだろう』という気持ちで書いていますね(笑)」。美容系企業の間でも、字コンテまで作れるTikTokクリエイターがいると話題になっているそうで、「やみちゃんを中心に広告展開をしたい」という依頼も多いそうだ。

商品の説得力を増やすため動画内で実験も

企業案件で作成した動画で話題となったのが、21年7月に投稿した「サロニア」の「イオンフェイシャルブラシ(電動洗顔ブラシ)」。卵黄に当てても割れないくらい摩擦が少ないというのがセールスポイントだったため、動画では実際に実験した映像も差し込んだ。「実験系の動画は説得力が増すので再生回数が伸びやすいんです。また、卵黄の実験映像に関しては、あえて冒頭に持ってくることで『なんだこれ?』と視聴者の興味を引く構成にしました。TikTokは見始めてから3秒以内に面白さを伝えることが大事なので」。この動画は200万再生を記録しており、売り上げにも大きく貢献した。

自身の経験と知見を踏まえて、クライアントに提案ができるのも彼女の強みだ。例えば、商品に関して「この情報を全部入れてください」との要望が来た際も、冷静に判断した上で、「この要素は入れないほうが再生回数は伸びると思います」と進言することもあるという。「情報が多いと動画が長くなってしまい、TikTok上でのニーズが低くなってしまうことがあるんです。できるだけたくさんの人が得をする動画にするよう心掛けているので、企業側、視聴者側、どちらにも寄りすぎない、うまくバランスが取れたものを作ることを常に意識しています」

美容アイテムの開発やフェムテックにも興味

自発的に投稿する動画も企業案件の動画も、基本的に向き合うスタンスを変えずにやってきたことが、62万人というフォロワー数につながっている、やみちゃん。将来的には、これまで培ってきた経験と知識をもとに、美容アイテムの開発を手掛けるというビジョンも持っている。「使って納得してもらえるアイテムを作るのはもちろんなんですが、手に取りたくなるようなパッケージや、見た目が美しいデザインにもこだわりたいですね。これまでいろんな動画を作ってきて、映えることがバズることにつながる例を数多く見てきたので」。

また、近年注目度が上がっている、女性の抱える身体の悩みをテクノロジーで解決するフェムテック系への参入も考えているという。今後も活躍する場面はさらに増えていきそうだ。

(記事中のデータは21年11月時点)

『TikTok ショート動画革命』
 BGMとして使われた楽曲が相次いでヒットしたのを振り出しに、小説やコスメ、食品・飲料、高級車や高級旅館まで、動画で紹介された商品が次々と人気になり、"TikTok売れ"なる言葉も定着。TikTokは「消費を動かすプラットフォーム」として、最注目のツールとなった。その高い拡散力の源はどこにあるのか? 実際にTikTok発で売れた商品はどんな施策を行ったのか? ヒットを誘うクリエイターたちの動画作りの秘訣は?など、TikTok Japan初の全面協力の下、豊富なケーススタディと関係者インタビューを通じて、"TikTok売れ"の極意を明らかにする。(日経BP/1760円)

TikTok ショート動画革命

著者 : 日経エンタテインメント!
出版 : 日経BP
価格 : 1,760 円(税込み)

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