日経クロストレンド

急速充電器を50基から104基に

さらに日本でのEV販売強化の施策として、アウディ販売店での急速充電器の強化を掲げる。現在、全国のアウディ販売店には50kWの急速充電器が42基、90kWが8基の計50基が設置されているが、22年夏以降に既存の充電器に加え、150kW出力の急速充電器を54基配備していき104基に拡大。さらにVWグループの強みを生かし、VW販売店にも急速充電器設置を進めることで、全250店舗以上の急速充電網を構築する予定だ。これらをアウディ、VW、ベントレー、ランボルギーニの顧客で共有すれば、日本最大級の高出力な急速充電網で顧客をサポートできるようになるという。現状ではスタンダードな50kW出力より150kW出力のほうが急速充電器は高価なだけに、日本でのEV展開の本気度がうかがえる。

なお提携するゴルフ場やホテルに普通充電器の配備も進めるが、これらは他社のEVユーザーでも使えるようにするという。

アウディの急速充電器を使ってe-tron GTの走行距離100キロメートルの充電を行う場合の所要時間は50kWタイプで約20分、90kWタイプで約10分、150kWタイプで約6.5分だという

シェーパース氏は、「現在アウディはプレミアムブランドで最多となる、4車種のEV(e-tron、e-tronスポーツバック、e-tron GT、RS e-tron GT)を日本に投入している。この積極性はアウディの本気を示すもの。そこに加わるQ4 e-tronは台数構築の中心的役目を果たす。日本でのプレミアムEVブランド、ナンバー1に挑戦する」と締めくくった。

EVはエネルギーインフラが課題とされることが多いが、アウディはVWグループとして、アウディとVWの2ブランドの店舗で顧客の充電面をサポートしていけるのがやはり強みだ。一方でグループブランドでの共有は示しつつも、現時点では他社ブランドの高速充電器使用は視野に入れていないことがうかがえる会見だった。今後、EV販売率が高まれば、自社ユーザーだけで手いっぱいになると見込んでのことだろう。

シェーパース氏も触れていたが、EVの充電サポートとして必要なときに気軽に使う分だけをアウディやVW店舗で行えるようにすることで、ユーザーの受電の負担を減らし、EVの利便性を高めるのが狙いのようだ。充電環境整備を同時に進めることを考えると、アウディの販売目標はかなり上を見据えたものといえるだろう。

Q4 e-tronは22年秋以降発売予定

(ライター・写真 大音安弘)

[日経クロストレンド 2022年2月8日の記事を再構成]

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