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「富裕層だけ」が乗る時代は終わり アウディの最新EV

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日経クロストレンド

ドイツのフォルクスワーゲン(VW)傘下のアウディジャパンは2022年1月17日に年頭記者会見「Audi New Year Press Conference 2022」を開催した。同日アウディの電気自動車(EV)第3弾となる「Q4 e-tron」シリーズも発表。欧州自動車メーカーを中心に急激なEVシフトが叫ばれる中、EV化の加速を表明するアウディだけに、日本での「e-tron戦略(電動化戦略)」の話が中心となった。

21年上半期は前年比40%増に

会見に登壇したのは、21年9月1日にアウディジャパンの社長に就任したマティアス・シェーパース氏で、同年10月1日にはフォルクスワーゲン(VW)グループジャパンの社長にも就任している。同グループはアウディジャパン、VWジャパン、ベントレーモーターズジャパン、ランボルギーニジャパンの4法人を22年1月1日に1つの法人の下に再編。シェーパース氏は引き続きアウディのトップであるアウディジャパンブランドディレクターも兼務している。

シェーパース氏はまず、21年の日本販売の振り返り、「上半期は調子がよく、登録ベースで前年比38%増の1万2854台を記録し、急速な販売回復を見せた。しかし半導体不足の影響から車自体が入ってこなくなり、年間では前年比1%増の2万2535台にとどまった」と世界的な半導体不足の影響を説明。一方で「ポジティブなニュースも多かった」(シェーパース氏)と言い、大きな要因が21年に投入したコンパクトハッチバックおよびセダンの「A3」シリーズと、コンパクト多目的スポーツ車(SUV)「Q3」が販売をけん引したことだと話した。

アウディの高性能モデル群「RS」は、高価格帯の車種ばかりにもかかわらず、過去最高となる1323台を販売し、前年比250%増となった。特にRSのエントリーモデル「RS3」が人気を得た。さらに21年末に投入した4ドアクーペの電気自動車(EV)「e-tron GT」は、22年度の日本割り当て分の車両がすでに完売しているという。

25年までにはEV比率35%に

「アウディのEVであるe-tronシリーズは、日本での販売台数の2%弱にすぎず、現状では『EVが売れている』とは言い難い。しかしお客様の価値観、ライフスタイルが変わる中で需要は高まるだろう」とシェーパース氏。

自動車業界が100年に1度、あるいは業界始まって以来の変革の時を迎え、IT企業が自動車業界に参入を表明し、新進のEVブランドも登場している。共存よりマーケットリーダーにならんとする彼らに対し、「日本市場においても、いかに準備をするか。ディーラーとともに戦略を打ち立てられるかだと考えている。ドイツのアウディからは30年までのロードマップが明示されており、サステナブルな企業であること、社会的な責任を果たしながら新しいリーダーとなることをゴールとされている。そのため新技術に5兆円を投資する」(シェーパース氏)と話し、日本での販売戦略でもEVに力を入れていく姿勢を示した。

ドイツのアウディはピュアエンジン車の投入を25年で最後にし、26年以降の新型車は全てEVにすると発表している。エンジン車の廃止自体は段階的になるが、33年には中国を除き、エンジンの生産そのものも終了する予定としている。日本でのEV販売比率はこの計画に合わせ、22年中に全体の7%、23年には15%と拡大していき、25年までには35%に高めて年間1万台以上のEVを販売する考えだ。このため24年までに15車種以上のEVを投入する計画という。

Q4 e-tronをEV戦略の主力に

今回お披露目された新型EV「Q4 e-tron」シリーズは、こうした計画を印象付けるものとなった。SUVの「e-tron」、4ドアクーペ「e-tron GT」に続く、Q4 e-tronの最大の特徴は、アウディ初のコンパクトEVであるという点。コンパクトSUVの「Q4 e-tron」とコンパクトクーペSUV「Q4 e-tron スポーツバック」の2タイプを用意し、軽快な走りを予感させる若々しいデザインも特徴的だ。

ドイツのVWグループがEV向けに開発したプラットフォーム「モジュラー エレクトリック ドライブ ツールキット(MEB)」をアウディで初めて採用した。ボディーサイズは全長4588×全幅1865×全高1632ミリメートル(※スポーツバックは全高1614ミリメートル、全て欧州モデル)で、SUVの「Q3」と「Q5」の中間サイズだ。パワーユニットと駆動方式、電池容量は1タイプのみ。駆動用電気モーターの性能は最高出力150kW、最大トルク310Nmを発揮し、後輪のみを駆動する。フロア下に収まる駆動用リチウムイオンバッテリーは82kWhと大容量で、1回の充電での走行距離は516キロメートル(欧州値)と十分な長さだ。充電方式は、200Vの普通充電で最大8kWまで対応。急速充電はCHAdeMO規格の125kWという高出力まで対応しており、例えば125kWであればバッテリー残量が5%でも38分で80%まで充電可能(理論値)という。

価格はQ4e-tronが599万円(税込み、以下同)から、Q4 e-tronスポーツバックが688万円からで、すでに日本で販売されているe-tronのエントリーモデルの935万円と比べ、ぐっと引き下げられている。シェーパース氏は、「世界的に見ても、一部の富裕層だけがEVに乗る時代はとっくに終わった。それを変えるシンボルが、Q4 e-tronだ」と、その役割の大きさを示す。Q4 e-tronは今後、日本でのアウディEVの主力と位置付けられるという。

急速充電器を50基から104基に

さらに日本でのEV販売強化の施策として、アウディ販売店での急速充電器の強化を掲げる。現在、全国のアウディ販売店には50kWの急速充電器が42基、90kWが8基の計50基が設置されているが、22年夏以降に既存の充電器に加え、150kW出力の急速充電器を54基配備していき104基に拡大。さらにVWグループの強みを生かし、VW販売店にも急速充電器設置を進めることで、全250店舗以上の急速充電網を構築する予定だ。これらをアウディ、VW、ベントレー、ランボルギーニの顧客で共有すれば、日本最大級の高出力な急速充電網で顧客をサポートできるようになるという。現状ではスタンダードな50kW出力より150kW出力のほうが急速充電器は高価なだけに、日本でのEV展開の本気度がうかがえる。

なお提携するゴルフ場やホテルに普通充電器の配備も進めるが、これらは他社のEVユーザーでも使えるようにするという。

シェーパース氏は、「現在アウディはプレミアムブランドで最多となる、4車種のEV(e-tron、e-tronスポーツバック、e-tron GT、RS e-tron GT)を日本に投入している。この積極性はアウディの本気を示すもの。そこに加わるQ4 e-tronは台数構築の中心的役目を果たす。日本でのプレミアムEVブランド、ナンバー1に挑戦する」と締めくくった。

EVはエネルギーインフラが課題とされることが多いが、アウディはVWグループとして、アウディとVWの2ブランドの店舗で顧客の充電面をサポートしていけるのがやはり強みだ。一方でグループブランドでの共有は示しつつも、現時点では他社ブランドの高速充電器使用は視野に入れていないことがうかがえる会見だった。今後、EV販売率が高まれば、自社ユーザーだけで手いっぱいになると見込んでのことだろう。

シェーパース氏も触れていたが、EVの充電サポートとして必要なときに気軽に使う分だけをアウディやVW店舗で行えるようにすることで、ユーザーの受電の負担を減らし、EVの利便性を高めるのが狙いのようだ。充電環境整備を同時に進めることを考えると、アウディの販売目標はかなり上を見据えたものといえるだろう。

(ライター・写真 大音安弘)

[日経クロストレンド 2022年2月8日の記事を再構成]

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