NMB48渋谷凪咲 バラエティで自分の立ち位置築きたい
ここ1年で急激にバラエティ出演を増やした筆頭が渋谷凪咲だ。
大阪・難波が拠点のNMB48のメンバーであり、関西では以前からバラエティの戦力として活躍してきた。今回の出演本数調査は、関東地区で見られる番組に限ったが、27本で17位という上位の結果になった(記事「女性バラエティタレント 断トツ1位みちょぱ、2位は…」参照)。全国ネットの番組では、2019年から『芸能界常識チェック!~トリニクって何の肉!?~(注1)』(テレビ朝日系)に毎週出演。昨年からは、トーク番組などでも目にする機会が増えている。(注1)19年4月~21年3月までは『そんなコト考えた事なかったクイズ!トリニクって何の肉!?』
「『トリニクって何の肉!?』に出始めてから、東京の番組に呼んでいただける機会が増えました。ゆきりん(柏木由紀)さんやめるる(生見愛瑠)さんが初期からのメンバーで。私、AKB48のゆきりんさんに憧れてNMB48に入ったんですよ。それまではお会いしても、緊張して話しかけられなかったんですけど、今は休憩時間にゆきりんさんとお話しするのが1つの楽しみになってます。
MCの浜田(雅功)さんはめっちゃ優しくて、オンエアもチェックした上で、良かったところを言ってくださるんです。この間は『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)で、話のラストで振られたときに『イヤです』の一言で終わらせたら、『渋谷、あれ端的で良かったで』って。そうやって伝えてくださるのが本当にうれしいです」
渋谷の場合は、『大阪ほんわかテレビ』(ytv)や『かまいたちの机上の空論城』『よ~いドン!』(共にカンテレ)など、関西ローカルのレギュラーを多数持つ。
「『ほんわかテレビ』は関西で長く愛されている番組で、19年にレギュラーに入れてもらえて、親孝行できたと思いました(笑)。『机上の空論城』は、"自分らしくできる度100%"の番組です。かまいたちさんには、(同枠前番組だった)『NMBとまなぶくん』(13年~20年)からずっとお世話になっているので、私ももっと売れて力をつけて、『空論城』に貢献したいです」
クイズの回答が"大喜利"に
今年3月放送の『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の「芸人ドラフト会議」(注2)で、麒麟の川島明が「大喜利力が高い」と渋谷の名前を挙げたことも、彼女の評価が高まるきっかけとなった。(注2)仮に自分が冠番組を持った場合、出演者として誰を指名したいかを挙げる企画
「もともとお笑い好き一家。小さい頃から、『兵動・小籔のおしゃべり一本勝負』のDVDをお母さんと一緒に見てたり、お昼寝のときに上沼恵美子さんのラジオがかかってたり。そういうのも今につながっているのかなと思います。
私はダンスもヘタやし、歌が飛び抜けてうまいわけでもない。アイドルとしてさらに上に行くにはどうしたらいいのか。そう思ってるときに、『NMBとまなぶくん』に出させてもらってるんやから、一生懸命やろうと決めて。クイズが毎回あったので、分からなくても絶対に1回は手を挙げようって。
でも私、アホなんです。みんなが分かる問題も分からない。だから、自分なりに『こうかな?』と考えて導き出したことを答えてたんですよ。そのうちに、麒麟の川島さんが『大喜利面白い』って言ってくださるようになって。『これって大喜利なん?』って思ったけど、だんだん他のバラエティのお仕事も増えたんです。グループにいると、みんな自分の武器になるものを探すんですけど、私の場合はバラエティだったのかなって」
現場で共演するタレントにも刺激を受けているという。
「スタジオでは日々、共演者の方に助けられてます。ファーストサマーウイカさんとは、まず『トリニク』でお会いして。後日『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)でご一緒したときに、ウイカさんが(明石家)さんまさんに『この子パッパラパーなんです』みたいなことを言ってくださったおかげで、たくさん話を振っていただけました。
次に『さんま御殿』に出演させていただいたときは必死すぎて、周りの声が全く聞こえてなかったんですけど、オンエアを見たら、陣内智則さんがめっちゃフォローしてくださっていて。テレビの前で『陣内さ~ん』って手を合わせました(笑)。憧れの存在は、滝沢カレンさん。他に染まらない世界観があるので、素敵やなって思います」
未来はどう見据えているのか。
「お笑いって、正解がないじゃないですか。私の大喜利、面白くないと思うんです。笑っていただけるかは、運というか、まぐれ。アイドルやから呼んでいただけてる。お兄ちゃん的な存在の見取り図さんには、『アイドルやと思ってない』っていつも言われますが(笑)。
アイドルという主軸はおろそかにしたくないですし、NMB48を背負っている気持ちがあります。NMB48のキャプテンで、関西のバラエティにたくさん出ているこじりん(小嶋花梨)には、『失敗しちゃった』とか、『こうしたらいい感じになったよ』とか、全部話してます。スタッフさんも裏でサポートしてくれていますし、私は幸せもんやなーって思うので、今はとにかく、バラエティをめちゃくちゃ頑張りたい。NMB48を盛り上げるためにも、バラエティで自分の立ち位置を築いて、代わりの利かない人になりたいです」
(ライター 内藤悦子)
[日経エンタテインメント! 2021年10月号の記事を再構成]
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