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海外からも多数視聴された「ダンク祭り」(右)、選手ごとのスーパープレー集(中)など、縦型を生かした迫力のある動画が多数。TikTokで人気の「指男」の音源を使った動画(左)などの企画も

試合中の映像からプレー集を作成する際は、もともと横型で撮影されたものをTikTokに合わせて縦型に切り取るが、この作業も慣れるまでは大変だったという。「最初は、幅の狭い縦型の映像でボールや選手の動きを見やすくすることに苦労しました。ただ、縦だと1人にギュッと寄った画が作れるため、ダンクシュートなどのシーンでは横形よりも迫力のある映像に仕上がる。そんな利点も徐々に分かってきましたね」。運用前から想定はしていたことだが、サッカーなどに比べて攻守の切り替えが速く、点もたくさん入るバスケットは、1試合の映像から数多くのハイライト動画を作れるため、TikTokと相性が良いと確信したそうだ。

これまでに投稿した動画のなかで、特に大きくバズったのは、21年2月の「ダンク祭り」。21年11月現在、200万再生を超えている。川崎の選手が次々と現れてダンクシュートを決めていく、シンプルかつインパクトのあるビジュアルが評判となった。各選手の華麗なダンクシュートに集中してもらうために画面上のテキストは最低限の説明に絞り、選手が登場するごとに国旗のアイコンと身長だけを表記したという。「実はこれにはもう1つ意図があって。海外ユーザーの方も理解できるよう、日本語は使わず非言語でのコミュニケーションを意識しました。海外の方からの評判も良くて、英語、韓国語、ロシア語などでもコメントが書き込まれて盛り上がりました」

流儀にならおうと、TikTok内での流行も取り込む。例えば、指を鳴らしながら叫んで走り去る動画が世界中でバズった人気TikTokクリエイター・指男の音源を活用したミーム動画なども投稿している。「指男さんのミーム動画は練習中に選手にお願いして撮影したんですが、TikTokで話題の動画だけに反響は大きかったですね。コメントが多く寄せられたのも印象的でした。コメント欄の盛り上がりと再生回数は関連しているので、動画ごとにどんなコメントが付くのかなども意識しています」

人気TikTokクリエイターとのコラボも展開

川崎ではパートナーシップの強みを生かし、TikTokとの様々なコラボレーションも展開している。20年10月には日本のプロスポーツクラブとして初のTikTok LIVEに挑戦。さらに、人気TikTokクリエイターともタッグを組む。20年11月に2人組の伊吹とよへを招いて制作した動画は400万再生を記録。翌年2月に2人がホームゲームに来場した際は、チアリーダーの楽屋を訪れる様子などをTikTok LIVEで配信し、話題を呼んだ。

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不特定多数にアピールできるTikTok