AIツール「cre8tiveAI」顔イラストやアニメ背景を制作エンターテック

日経エンタテインメント!

近年、AIをエンタテインメントの様々なプロダクトに活用する動きが広がっています。そんななかで、クリエーターの業務を効率化するAIツールのプラットフォーム「cre8tiveAI」(以下、クリエイティブAI)を開発したのが、RADIUS5です。写真やイラストの高解像度化、イラストやアニメ背景の自動生成といった様々なAIツールを提供しています。RADIUS5の取締役COOの菅原健太氏に、MTVジャパンやユニバーサルミュージックなどで新規事業開発を担ってきた鈴木貴歩氏が話を聞きました。

【解説】「cre8tive AI」とは?
クリエーターをサポートするためのAIツール
 RADIUS5が開発した、クリエイティブ作業を効率化する様々なAIツールを提供するプラットフォーム。2019年にリリースした写真やイラストを高解像度化する「Photo Refiner」を皮切りに、顔イラストを生成する「彩ちゃん」、似顔絵を生成する「Portrait Drawer」、1枚の写真から動画を生成する「Moving Photo Refiner」など、現在9種類のサービスを提供中。使用料は、1回使うごとに支払うプランと、使用量に応じて選べる月額4800円~8万円のサブスクリプションプランを備える。

――当初、RADIUS5さんはゲーム開発をメイン事業としてやられていたそうですね。

おっしゃる通りで、もともとはゲーム開発が主だったんですが、2019年ごろから「AI×クリエイティブ」「AI×アート」の領域に可能性を見いだして開発を進め、「人の創造性を最大化する」というビジョンのもと、現在は9種類の機械学習を生かしたAIツールを展開しています。それらの総称が「クリエイティブAI」です。

第1弾として、19年2月にリリースしたのが高画質化AIの「Photo Refiner」。写真やイラストのピクセル数を、縦と横それぞれ4倍に拡大し16倍に変換できるサービスになります。印刷関連の企業から、「写真の画素数が印刷時に足りないことがある」と相談を受け、約4カ月かけて開発しました。これが評判だったので、様々なエンタテインメント界の課題をテクノロジーで解決していこうと舵(かじ)を切りました。

「彩ちゃん」 ユーザーの希望を踏まえ、世界にたった1枚しかないオリジナルの顔イラストを、0.1秒という短時間で描き上げてくれる

――19年9月リリースの「彩ちゃん」は、100万種類以上の多種多様な顔イラストをAIが生み出せると話題のサービスですね。

僕自身、ゲーム会社で働いていたことがあるんですが、ゲームを制作する際には膨大な数の顔イラストが必要で、常にリソース不足に悩まされていました。その解決策として開発したのが、美少女系から美男子系まで様々なタイプのイラストを描くことができる「彩ちゃん」です。

まず最初にユーザーには3つの顔イラストの中から1つを選んでもらいます。するとテイストの似た14の顔イラストが出てきます。その中からまた1つを選ぶと、さらに14の顔イラストが出現。これを繰り返すことで、より理想のイメージに近づけるという仕組みです。これには「敵対的生成ネットワーク」というAIを使っており、イラストを作るAIと、それをダメ出しするAIの相互作用によって、精度を高め合っています。

誰でも作成することができ、権利に関しても、1枚240円の使用料を払えば、入力したユーザーに使用権が付与されるので、商業利用も可能。こういったサービスをネット上で公開しているのは国内では弊社だけだと思います。いろんなクリエーターの方に使ってもらっていたり、チャット小説サイトの「KISSMILLe(キスミル)」さんには、キャラクター協力もしています。

次のページ
絵描きの思考をAIに
エンタメ!連載記事一覧