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武田砂鉄、TBSラジオの「今」を切り取った膨大な言葉

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NIKKEI STYLE

日経エンタテインメント!

1951年に開局したTBSラジオ。2021年12月に70周年を迎えるという話を耳にして、同局で3年ほど前から番組を持っているライターの武田砂鉄は「これを機に、記念の本を作ったらいいんじゃないですかね」と気軽に提案した。4月末のことだ。そして11月。TBSラジオを代表するレジェンド級のパーソナリティーがずらりと並ぶ、「公式読本」という名の膨大なインタビュー集が上梓された。

「ここ最近、ラジオが注目されて、いろんな雑誌で特集が組まれていますが、記事を読むたび『せっかくラジオの語り手が出ているのに、もっと言葉を載せてくれよ』と感じました。ふだんラジオを聴いている人っていうのは、1時間や2時間、番組によっては4時間とか、ずっと言葉を浴びているわけじゃないですか。その、ラジオ特有の"質量多め"の感じを、文字にしたいな、と。あの人もこの人も、と取材を進めたところ、結局、限界ギリギリアウト、というほどの文字量になりました」

聞き手、語り手、さらに書き手である武田だからこその、深く、刺激的なインタビューは、人によっては1人2万字を超える。生島ヒロシ、森本毅郎、大沢悠里、爆笑問題ら、何十年も帯番組を担当してきた現役大御所パーソナリティーたちのライフヒストリーは、「歴史を振り返る周年記念本」といったありがちな役割を超え、抜群に面白い"読み物"となった。

「意外だったのは、皆さん、日頃からラジオで人のことをあれこれ探っているくせに、自分のことを話すのは嫌だっていう(笑)。写真撮られるのも苦手という方が多かったですね。何より、頭の回転の速さ! 突っ走ってるんです。考える"ツボ"みたいなのが、目まぐるしく変わっていくんです。きっと、次にインタビューしたら、違う話が出てくるはず。その時その人がしゃべったことの面白さを、きちんと"読み物"として届けたい。それはライターという仕事をするうえで日頃から心掛けていることではあるんですが、今回もブレないように、と思っていました」

ジェーン・スー、荻上チキ、山里亮太ら、TBSラジオの中では若手とされる世代のインタビューも読み応えがある。

「キャリアの長い人もそうでない人も、全員が、毎回毎回『これでいいのか』と自分を疑うようにして番組を作り上げているんです。百戦錬磨のしゃべりのプロでも、『これでいいか』みたいな姿勢の人は、誰もいない。裏返せば、ラジオがそれだけ面白みのあるメディアだということですよね」

今しか聞けない言葉がある

武田自身、TBSラジオのヘビーリスナーだった。子どもの頃から声を聴いていたあの人たちと自分が今、同じ仕事をしていることに、時々「うわっ」と思っていた。

「だから今回は、目の前に高い山があるのは分かっていました。でも、いざ取材が始まったら、予想以上の高さに圧倒されて。しかも、まだ登ろうとしてるんですよ、歩幅大きめで。まだ山高くなんのか、って」

「ラジオの原体験は空襲情報」という大沢悠里の語りは、70年という時の流れを強く印象づける。

「過去の記録や未来予想ではなく、今を切り取れば、その断面にはいろんな歴史がこびりついているんです。どんな文化、芸術も、戦後に拡張していったわけですが、悠里さんのようなラジオ第1世代の言葉が今に至る1本の線でつながっている。それって、本当に大切で、だからこそ言葉を聞いておかなくては、と思う。この仕事、できてよかったです」

でも「またやって、と言われたら丁重に断る」ほどの、大変な、だからこそ意義深く、何より読んで楽しい、稀有(けう)な1冊。そして、ラジオが聴きたくなってくるのだ。

武田砂鉄
 1982年、東京都生まれ。出版社勤務を経てライターに。2015年『紋切型社会』がBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。主な著書に『わかりやすさの罪』『偉い人ほどすぐ逃げる』『マチズモを削り取れ』ほかがある。TBSラジオ『アシタノカレッジ』金曜パーソナリティーを務める。今回の仕事ではTBSラジオのヘビーリスナーである母親のエピソードも随所に登場し「珍しく親孝行になった」。

(ライター 剣持亜弥)

[日経エンタテインメント! 2022年2月号の記事を再構成]

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